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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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ayusより 2024/09/09

10/3 連続セミナーミャンマーからの声を聞く第6回: 若者とデジタル・フリーダム 前線からの声


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連続セミナー:
ミャンマーからの声を聞く第6回 若者とデジタル・フリーダム 前線からの声
2024年10月3日(木)19:00-20:30
詳細 http://www.mekongwatch.org/events/lecture01/20241003.html
申込 https://x.gd/PEtui
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ミャンマーでは2021年2月1日のクーデター未遂以降、軍による市民への弾圧や、激化する軍と少数民族革命勢力との衝突により、国内避難民が300万人以上に達する混乱状態となっています。軍による弾圧で死亡した人は5,500人以上に達しています。日本はミャンマーに対して最大の援助国でありながら、未遂クーデター以降も政府開発援助(ODA)を継続しているほか、軍のビジネスに関係する事業に公的資金を供与したままで、その影響力を正しく行使しているとはいえません。また日本では、自治を求める少数民族と呼ばれる人びとの暮らす地域の状況、多様な背景を持つ人びとの声が十分に知られてきませんでした。

この連続セミナーは、「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)がプログレッシブ・ボイスと共催するもので、ミャンマーからの声を日本に伝えるため企画しました。現地の情勢や紛争の歴史的経緯、いわゆる少数民族居住地域での状況、日本政府や社会に対してミャンマーの市民社会の求めることは何かを、各地で活動してきたミャンマーの活動家・NGOスタッフなどをゲストスピーカーに迎えてお話を聞き、議論を深めていきます。

第6回 若者とデジタル・フリーダム 前線からの声

ミャンマーでは、若者たちが、2021年2月の違法な未遂クーデターによって火がついた革命を推し進める勢力として台頭しています。若者たちによる抵抗は、残虐な軍に対する運動としてミャンマーの歴史上もっとも多様なものの一つです。これに対し、軍はミャンマー全域の人びとを標的にして恐ろしい残虐行為を行い、何百人もの若者を殺しました。これには9歳未満の子供が少なくとも110人含まれています。

デジタル分野は、ミャンマーでの抵抗運動、特にそれを革命への内外からの支持を呼びかける場として使ってきた若者にとって、きわめて重要です。軍はミャンマーの人びとに対する戦争をデジタルの領域にまで拡大しており、国連の専門家らはそれを「デジタル独裁」を確立させようとする試みと呼んでいます。インターネットや電話回線の制限、ネット上の検閲、監視、その他の抑圧的な手段がこの試みの特徴です。こうした状況下で、日本の通信事業者であるKDDIグループと住友商事は、軍政の支配下にあるミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)の共同運営をしてきました。KDDIグループと住友商事は、軍政の監視プログラムに従い、軍が令状や法的監督なしで個人のデータにアクセスしたり通信を傍受したりして活動家やネットで積極的に発言する人たちを危険にさらすことを認めてきました。軍政に収入源と監視能力を提供することによって、これらの日本企業は重大な人権侵害に加担しています。

「連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く」第6回では、ミャンマーで表現の自由を求めて活動する非営利団体である「アタン(Athan)」の事務局長、ズィーピー氏にお話を伺います。ズィーピー氏は、ミャンマーの「春の革命」に参加する若者の一人としてのご自身の体験と、軍政による表現の自由や報道の自由の侵害を記録するアタンの活動についてお話しくださいます。また、「ビルマのクィア・オルタナティブ(Queers of Burma Alternative)」事務局長のチーニェイン氏からは、ミャンマーの革命を促進してきたLGBTIQ+のコミュニティとZ世代の一員としての観点からお話しいただきます。チーニェイン氏は、ミャンマーが将来、包摂的な連邦民主制をとることへの希望も語ってくださいます。

分散型で多面的なアプローチを特徴とする今日の運動からは多くを学ぶことができます。どうすれば日本の市民や政府がミャンマーの若者と連帯し、連邦民主制をめざす、様々な民族や分野、世代や階級からなる抵抗運動を支えることができるか、このウェビナーを通じて議論を深めていきましょう。

参考
メコン河開発メールニュース
ノルウェー中央銀行、KDDIと住友商事を投資除外監視リストに追加 (2023年12月25日)
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20231225_01.html

■日時: 2024年10月3日(木) 19:00-20:30
■会場: オンライン開催(ウェビナー)Zoom
■言語: 英語(日本語同時通訳付き)
■参加費: 無料(要申込)
■申込: zoomのシステムから登録をお願いします
https://x.gd/PEtui

■スピーカー略歴

ズィーピー氏(アタンー表現の自由のための活動家団体 事務局長)
「アタンー表現の自由のための活動家団体」の事務局長。10年以上、ミャンマーの人権問題に取り組んできた。アタンに加わる前の10年間は、著名な人権ベースの団体に積極的に関わっていた。その経験に基づき、2018年の設立時にコンサルタントとしてアタンに加わり、1年後にフルタイムで働くようになった。表現の自由の問題について一連の抗議行動を進んで組織し、リサーチペーパーの執筆にも精力的に関わった。2021年のクーデター後、アタンの事務局長になり、現在はミャンマーのためにアタンの人権や提言に関する活動を率いている。ズィーピーとアタンのチームはその活動が原因で2021年末にタイに移った。

チーニェイン氏(ビルマのクィア・オルタナティブ 事務局長)
若手のクィア活動家で、現在は「ビルマのクィア・オルタナティブ(Queers of Burma Alternative)」事務局長を務める。2018年以降、積極行動主義に深く関わり、特にLGBT+の権利や反軍事主義、若者の積極行動主義、環境保護に焦点を絞ってきた。2021年の軍事クーデターで暴力が引き起こされても社会正義のための提唱活動を続け、ミャンマーのゼネスト委員会の運営委員を務め、シャン州北部やカレンニー州など避難民のいる地域で人道支援活動を行った。学生組合の政策問題担当者や、文民政府のもとの青年問題委員会の書記補佐を務めるなど、経験豊富である。環境保護に対する情熱から2019年には東南アジア青年クリーンアップ・アンバサダーとして認められた。積極行動主義に加え、ミャンマーのLGBT+ の声を伝えるポッドキャストの製作者としても優れており、調査や提言のインターセクショナリティについて民主派の様々な団体と協力してきた。

■共催:「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)、プログレッシブ・ボイス

■問合せ先:
メコン・ウォッチ info@mekongwatch.org