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平和人権/中東

平和人権/中東2015/02/25

パレスチナ料理と工芸品に魅せられて〜


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パレスチナ料理と工芸品に魅せられて〜

 エルサレム滞在中の食生活は、かなり充実したものでした。珍しさもあいまっていろいろと試したのですが、その一例をご紹介。他には、ヘブロンの手工芸品もステキなものばかりで、つい日本に持って帰らないといけないことを忘れて、買い込んでしまいそうでした。お財布も大変。

ひっくり返されたご飯

 上の写真は、ベツレヘムで味わった炊き込みご飯。「ひっくり返す」という意味の「マクルーベ」というご飯です。
 鍋の底に揚げた野菜や肉(鶏、ラムなど)をしいて、その上にお米をいれて炊いたピラフですが、これが美味い! 実は何度も食べたことがありますが、今回食べたのはこれまで食べた物の中でも美味しかったです。スパイスの組み合わせが、私好みだったのでしょう。
 このスパイスの組み合わせは、家庭によって違うとのこと。日本で食べたのはクローブの味が強かった記憶がありますが、こちらの家庭の味わいはもっと柔らかいものでした。あとでお茶を頂戴しながら同席していた女性に「結婚したら、結婚先の家庭の味にするの? それとも実家の家庭の味にするの」と聞いたところ、胸を叩いて「私の実家の味よ」とのこと。マクルーベを巡る、嫁姑紛争があるのではないかと睨んでいます。(実際に、パレスチナ社会でも嫁姑問題は多くあるようで、それが原因の離婚もあるくらいだとか・・・)
2015palestine7  ケバブなど肉料理が多いイメージのアラブ料理ですが、野菜料理も豊富。写真のようにキュウリやトマト、パセリを使ったサラダは定番。1週間の滞在中、いったいどれだけのキュウリとトマトを食べたことか! オリーブオイルと塩などのシンプルな味付けです。

したたる赤ワイン

2015palestine8 パレスチナではキリスト教徒も多く住んでいるために、ワインも作られています。写真は、タイベワイン。キリスト教徒が多いタイベ村では、以前から地ビールが有名ですが、ワインまで作り始めたようで、これは初挑戦。渋みがあって美味しかった。日本にも入ってこないかなと期待するところ。

お財布を空にするガラス工芸と陶器

某事務局スタッフは帰国後早速にグラスをボウルを愛用中。

某事務局スタッフは帰国後早速にグラスをボウルを愛用中。

 ヘブロンについては、前のブログで宗教と政治の関係性について書きましたが、陶器とグラスとカフィーヤも有名。代々陶器とガラス工芸を行っているNatscheh家の工場とお店を訪問しました。
 まずガラス工芸ですが、リサイクルされたガラス瓶が原材料。まるで沖縄のガラス工芸品を思い出させます。
 陶器は、別の工場で型を取って素焼きまで行いますが、この工場ではそれに絵を描き込んでいき、釉薬をかけて焼いて仕上げます。ちなみに素焼きまでを行う別工場は、兄弟が経営していますが、イスラエル警察の管理下にあり、時々嫌がらせを受けることもあるそうです。

  アーユスの女性スタッフ2名は目の色を変えて物色し、自分が日本に飛行機で帰ることを思い出さないとどうなったことやら・・・。

パレスチナガラス パレスチナガラス
パレスチナガラス パレスチナガラス

頭に巻けばあなたもアラブ人?<>

 アラブ人の男性が頭に巻いている布がありますよね。アラファト議長の写真でも有名かも。
 カフィーヤと呼ばれるものですが、現在ではヘブロンにあるHebron Textileがパレスチナにある唯一の工場だそうです。最近は、もっぱら中国産が増えているとか。ここにも経済のグローバリゼーションがしっかり届いていました。
 広い工場で大きな音と共に布を織っていたのは、日本製の織機。古い型のようでしたが、元気なもので色とりどりのカフィーヤを織っていました。ベドウインの柄、オリジナル柄、オリジナル柄の色違いなどパターンも様々。ネットによると巻き方も、庶民巻きや地位の高い人巻きがあるそうなので、これから試してみます。アーユスがお寺のイベントなどに出店するときに持っていきますね。

カフィーヤ機械 カフィーヤ

 他にも伝統刺繍をあしらった製品も有名なのですが、今回はそちらには伺うことができず。またの機会にご紹介します。(M)