文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

ニュース

NGOより 2021/06/30

7/17 カンボジアの子どもの教育に必要なものは? 読書とアクティブラーニング


第7回チャイルドライツ・カフェ
カンボジアの子どもの教育に必要なものは? 読書とアクティブラーニング

認定NPO法人国際子ども権利センター(以下、シーライツ)では
2004年からカンボジアで人身売買・児童労働防止活動を実施してきました。子ど
もたちに学ぶ権利を伝え、出稼ぎに行ったり、物乞いとして働いたりする代わり
に学校に行くことを選択するようはたらきかけてきました。

その結果、地域の子どもたちが物乞いをやめて学校に通うようになり、また、
図書室で本も読むようになりました。子どもたちは、本を読むことにより、自信
がつき、ディスカッションで意見を言えるようになったと話しています。

しかし、昨年度、カンボジアでは、コロナによって長期間休校となり、地方の農村
では学ぶ権利が保障されていません。シーライツの事業地のほとんどの家庭では、
教科書以外の本が一冊もないという状況で、休校中に自分で学びを深めるのは困
難でした。そんな子どもたちに、コロナ禍に家庭でも本を読めるような環境をつ
くり、独学できたらという思いがあります。

カンボジアでは、内戦終結後、小学校建設によって初等教育の就学率や識字率は大幅
に向上しました。しかし、カンボジアの生徒の読解力は依然として低いままです。
2016年に途上国枠で参加した、OECDが実施する国際学力テスト・PISA-Dにおいて、
カンボジアの生徒の読解力は世界最低レベルでした。

OECDによれば、読解力とは「自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,
効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する
能力」です。たとえ字の読み書きができたとしても、この能力がなければ、社会
に出て仕事をするのは困難です。そこで、カンボジア教育省は読書の普及に取り
組み始めました。しかし、カンボジアでは母国語の書籍、書店や図書館の不足も
あってか、読書習慣を持っている人はごくわずかです。

今回のチャイルドライツ・カフェでは、カンボジアの教員養成校からの依頼を受け、
現地の教育NGOとともに、同校でのアクティブラーニングの読書科目を開発して
いる中村健司さんをお呼びして、読書を通じたアクティブラーニングについてお
話をしてもらいます。中村さんは、僻地の若手校長先生たちの協力を得てプログ
ラムを開発し、現在、同校の教官たちと練習を重ね、11月からの正式導入に向け
て、チーム一丸となって準備をしています。

実は、中村さんはシーライツの事務所が大阪にあった頃、運営委員(現在の理事)をつとめていました。

以下、中村健司さんからのメッセージです。

「今回のチャイルドライツカフェでは、小学校の不足以外のカンボジアの教育の課題、
子ども好きの私がなぜ教員のサポートにこだわるのか、開発段階から若手校長先
生に参画してもらったのはなぜか、なぜ読書なのか?なぜアクティブラーニング
なのか? そして、それは、カンボジアの子どもの権利にどんな影響を及ぼすの
か?についてお話したいと思います。また、国際協力や支援活動にとどまらず、
日々の仕事や学び、人材育成などに役立つ視点をみなさんと共有できればと思い
ます。」

〔スケジュール/2021年7月17日(土)20:00−21:30〕

20:00−20:05 主旨説明
20:05−20:40 中村健司さんのお話
20:40−21:00 対談 中村健司さんと甲斐田万智子
21:00−21:25 質疑応答と懇談会

〔講師プロフィール〕
■中村健司
関西大学法学部、同大学院法学研究科修了、イギリス・ハル大学大学院グローバリゼーションとガバナンス修了。
ラーニングファシリテーターとして、発展途上国・新興国の教育機関、NGO、企
業で、人やチームが学ぶことを楽しみ、成長するのを支援。NGOでの活動、フィー
ルドワーク、日本とイギリスの大学院での研究、カンボジア料理店の開業と経営
といった多様な経験を活かした企画サポートや講演も行う。モットーは、学術研
究を活用できる現場の実践者であること。好きな本を持ち寄る事前読み不要のオ
ンライン読書会、自ら問いを作り課題を解決する問いトレなど、学びを楽しむワー
クショップ多数。

■甲斐田 万智子
NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事。文京学院大学教員。
広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表。編著『世界中の子どもの権
利をまもる30の方法』(合同出版)、共著『SDGsと開発教育 持続可能な開発目
標のための学び』(学文社)、共編著『小さな民のグローバル学:共生の思想と
実践を求めて』(上智大学出版)共著『対人援助のためのコミュニケーション学
:実践を通じた学際的アプローチ』(文京学院大学総合研究所)ほか。

〔参加費・参加方法〕
参加費は無料です。オンラインにて開催いたします。
7月16日(金)までに下記URLよりお申込みください。
お申込みいただいた方に参加用のURL(ZOOMを利用予定)を送付いたします。
https://forms.gle/MYYWz7YAsEXoaY6n6