スタッフ雑記帳
スタッフ雑記帳2010/07/07ツイート
NGO見聞記〜「シャプラニール=市民による海外協力の会」編〜
今年度から、認定NPO法人「シャプラニール=市民による海外協力の会」がアーユスのパートナーシップ事業支援の対象団体となります。
その前に、パートナーシップ事業とは??
→パートナーシップ事業を分かりやすく説明すると、「日本のNGOが、現地のNGOまたは市民組織とパートナーを組んで、その地域の課題解決に向けて一緒に取り組んでいくこと」を言います。
詳しくは、こちらをご覧ください。https://ngo-ayus.jp/support/subpages/support_part.html
事業支援開始にあたり担当者の小嶋さんに、インタビューを行いました。
事業支援の概要
~バングラデシュの首都ダッカにおける「ストリートチルドレン支援活動」~
→シャプラニールでは現地NGO「オポロジェヨ」とパートナーを組み、路上に住む子どもたちが適切な教育や基礎的な医療、また職業訓練を受け、安心して生活できる環境を得ることを目指し活動しています。実際に、簡単な読み書きや計算を学ぶストリートスクール(青空学級)や、子どもたちが立ち寄って勉強や職業訓練等を行うドロップインセンター(24時間対応可能な施設)を運営しています。これらの活動は、地域住民の参加を意識し、将来はその地域の人たちで活動を行っていくことを目指しています。
ダッカにやってくるストリートチルドレンって?
→さまざまなケースが考えられますが、多くは地方から親と一緒にやってくる子どもたちや、子どもたちだけで家を飛び出してバスや船でダッカにやってくる子ども、また親から虐待を受けている子が逃げてくるケースや、田舎で働き口がないため仕事を求めてやってくる子どもと理由はさまざまです。下は4歳から上は18歳までの子どもたちがセンターにやってきますが、実際にストリートチルドレンとして存在している子どもは、0歳からいます。
実は、誕生日が分からない(または覚えていない)子どもたちが多く、誕生日を知っている子どもたちも特に農村部では市場が開かれる日を基準とした曜日で誕生日を覚えていたりするんですよ。
現地の団体とパートナーを組むことについて
→それぞれの団体での考え方があるので、最初は私たちのことを理解してもらうことは大変でした。また、現地NGOスタッフと住民との信頼関係にはとても時間がかかりましたが、パートナーシップは信頼関係が全てなので、そこに時間をかけました。国際NGOの支援が終了した際、現地NGOはすぐに他のドナーを探します。そして、他のドナーが取れなかった場合はそのプロジェクト自体が終了してしまいます。しかし、私たちは、お金を出すだけという関係ではなくて、彼らが地域住民とともに今後事業を行っていけるよう、地域住民を巻き込んだ活動を心がけました。
地域と共に歩む
→活動を開始した当初は、ストリートチルドレン支援活動について、地域住民の理解を得ることにとても苦労しました。しかし、粘り強く活動を行っている内に、地域住民の意識も変わり、無視から見守ろう、そして支えように変化し、学校に行かせないといけないという意識に変わってきました。また、地域ぐるみで活動を支援しようという動きもあり、地域から野菜の差し入れや仕事口の提供など行われるようになりました。おかげで、その地域で新聞配達をして収入を得ている子どもたちもいます。
子どもたちのその後
→以前ドロップインセンターに来ていた子どもに会いに行ってきたときのことです。現在、路線バス停留所で商売をしているのですが、その商売を通してとても成長したのでしょう。ある程度立派な家に住んでいました。また、兄とのダブル収入で現在、一番下の妹を学校に通わせています。今後は、免許を取りたい!と言っていました。
ストリートチルドレンの現状について
→このような活動を地道に行っていますが、ストリートチルドレン減ってはいないのが現状です。実際、ダッカ全体は人口が増えているのでそれに伴ってストリートチルドレンの数も増えています。今後は、ストリートチルドレンの問題の根元にある、地方の子どもたちの課題にも取り組んでいく予定です。
おまけ
・バングラデシュの子どもたちの夢、女の子No.1は、縫製工場で働くこと。そして、男の子No.1はエンジニア♪
・バングラデシュは洪水が多いことでも有名ですが、実は洪水の翌年は豊作になるともいわれているんですよ。
シャプラニール「遠い」を「近い」に。
→オポロジェヨの子どもたちが新聞紙で作った封筒を、シャプラニールの会員の方々に送りました。手にとっていただけたでしょうか。シャプラニールでは、「遠い」を「近い」のキャッチフレーズに、これからも日本の方々に南アジアのことを身近に感じてもらうよう活動していきます。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
ストリートチルドレンに関する説明や、より詳しい活動内容やにつきましてはこちらをご覧ください。
→http://www.shaplaneer.org/support/st_children.php