平和人権/中東
平和人権/中東2025/10/29ツイート
キャンドル・アクション@増上寺
「停戦を、食料を、今すぐに」
10月4日の夜、東京都港区にある増上寺で、キャンドルで「Let GAZA Live」の文字が描かれました。10月7日で、パレスチナ・ガザ地区における未曾有の人道危機が始まって2年経とうする前に、パレスチナに様々な方法で関わってきたNGOや団体が集まり、現地の状況や現地からの声を伝え、犠牲となった人々を悼む集会を行いました。
■この危機的な状況が即刻に終わることを願って
今回集まったNGO/団体のパレスチナとの関わりは様々です。人道支援を続けている団体もあれば、後方支援的に現地の情報発信をしたり政策提言に取り組むところもあります。また現地の農産物を日本で販売するところもありました。
取り組みは様々ですが、根底に通じるのはガザにおけるこの危機的な状況が即刻に終わることです。
■ガザの今を知る
第一部は、東京都港区の聖アンデレ教会を会場に、ガザにおける医療状況、栄養状況、炊き出しや子ども支援から届く人々の声、そんな困難な状況であっても日本のNGOが粘り強く続けている支援活動についての報告がありました。
ー 退避命令が繰り返される中、2年間で10回も避難を強いられて移動を繰り返す苦労。移動する度に住居や水や食料を得られる場所を探さないといけない。高齢者は退避することすらできない。
ー 電力不足の中、スマホの電気で手術をしなければいけない。
ー 極限の状況が2年間続くとは思っていなかった。
ー 粉ミルクや液体ミルクが圧倒的に不足していて栄養失調が蔓延
ー 粉ミルク配布を共同していた現地診療所が空爆で崩壊した。数少ない残っていた診療所で一日700人〜1000人が受診していた。
ー 6時間かけてガザ北部から中部に避難したら、その日に避難先が空爆に遭った。
ー 母親として、子どもが制服を着て幼稚園に通う姿を見たかっただけなのに、空爆によって3人の子どもを失った。
ー 過酷な生活の中で授かった娘のためのミルクが必要。
ー 私たちの側に立って支援して欲しい。
ー 炊き出しをしようにも食料が圧倒的に不足している。あっても価格がものすごく高騰している。
ー 全ての人が焚きだし支援に頼っている。障がいのある子どもがいる家庭は、尚更炊き出しに頼らざるを得ない。
ー 焚きだしの内容も、パスタとスープ。もしくはスープだけ。
ー 生活用水や飲料水は給水でしか得ることができない。
ー 学校施設の9割以上が被災し、子ども達が学ぶ場はない。
ー 子どもに欲しいものを聞くと、戦争で亡くなったお父さんやお母さん、切断した脚、などの答が返ってくる。
■日本のNGOは活動を続けている
現地スタッフや提携団体との連携で、日本のNGO約8団体が緊急支援を実施してきています。保健医療、食料・水・その他の生活物資の配給に加えて、心理社会的支援に奔走してきています。
支給物の選定(価格、品質)から、配布先の選定まで、日々きめ細やかな活動を続けていますが、大規模な攻撃の中、現地スタッフの命を守りながらの活動であり、物資が非常に限られた中での活動です。これらの活動がガザの人たちの命綱となっているのは確かです。しかし、過酷な状況であっても長引くにつれて、寄付や支援金が減ってきています。ぜひ引き続きの協力を求めます。
■追悼集会
第二部は、増上寺の境内にてこれまでの全ての犠牲者を悼み、日本からの連帯の思いをガザに届ける「キャンドルアクション」を行いました。約200人の方がキャンドルが描く「Let GAZA Live」の文字を囲み、これ以上の犠牲者が出ないこと、一日でも早く停戦すること、ガザの人たちが食料や水を手に入れられること、安心した日々を取り戻すことなど、静かに深く願う時間でした。
この時に読まれたメッセージはこちらをご覧ください。
■NGO共同声明「停戦を、食料を、今すぐに」
イベントに向けて、アーユスを含む12団体が次の声明を発表しました。飢饉が広がるガザにおいて、人々が一刻でも早く食料や水を得て、安全を取り戻すことを願い発出しました。
2025年9月29日
ガザ地区における未曾有の人道危機が始まって2年が経過します。この2年、ガザでは、民家、商業施設、病院、学校など、あらゆるものが破壊され、65,000人以上1 の尊い人命が奪われてきました。そのうち、20,000人は子どもです。イスラエル政府は9月17 日からガザ地区の中心都市、ガザ市に地上侵攻を開始しています。同市には、いまだに60万人以上の市民が残されているとみられています2。
この2年間、毎日1時間に1人のペースで子どもが殺されてきたことを、私たちはどう受け止めるべきなのでしょうか。
2025年8月22日には、ガザ市の飢饉(ききん)発生が国連により発表されました。報告には、2025年9月中に人口の3分の1にあたる641,000人が飢饉のレベルに達し、2026年6月までに132,000人の子どもが急性栄養不良に陥るとあります3。
国連のIPCは、飢饉とは、「飢餓の最も深刻な状態であり、地域において少なくとも20%の世帯が食料の極端な不足に直面し、5歳未満の子どもの少なくとも30%が急性栄養不良状態にあり、毎日10,000人あたり2人が飢餓や栄養不良と病気の相互作用により死亡する場合と定義しています。 4
私たち現地で活動するNGOや、パレスチナに連帯するNGO、市民は、2年前からこうした危機が起きることを何度も警告してきました。しかし残念なことに、世界のリーダーたちは、この状況を止めることができませんでした。以前は1日平均500台入っていた輸送トラックの量が、2023年10月以降は、10分の1以下に制限され、今年の3月以降はほとんどの支援物資の搬入が止められています。こうしたことから、今回の飢饉が何百日もかけて意図的に起こされた人災であることは明らかです。
この2年で奪われたものは、人々の尊い命だけではありません。国連主導の支援の枠組みや、人権法や人道法といった国際法の枠組みもことごとく無視され、人道支援は、イスラエル軍等が主導する配給システムの枠組みに取って代わられました。このために、食料支援を求めていただけの無辜の市民が、既に1,400人も殺害されています5。
食料を戦争の道具として飢饉を人為的に発生させていること、強制的な移住、民間施設の破壊、そして民間人への攻撃は 戦争犯罪と言えます。関係者によれば、飢餓とは「自らの脂肪を消費した後、ゆっくりと筋肉や臓器を消費し、皮膚がもろくなり、失明し、感染症を患う、ゆっくりと苦しむ」プロセスです 。飢餓に陥った子どもには泣き叫ぶ気力すらありません。今、ガザの人々の間には、絶望と苦しみが蔓延し、沈黙が渦巻いています。
私たちはこうした状況を踏まえて、市民の皆さんに現状を正確に把握し、問題の解決のために共に歩むよう、引きつづきご協力をお願いしたいと思います。そして、人々が公平で、自由に、希望をもって生きられる世界を、粘り強く、日本政府、および世界のリーダーたちがあらゆる外交努力を通じて以下を実現するよう、ともに訴えたいと思います。
1 封鎖を解除し、十分な量の食料・医療物資をガザに届けてください。
2 無差別攻撃をやめ、完全な停戦を実現するよう尽力してください。
3 人質・被収容者を無条件に解放してください。
4 国際法に基づく秩序を取り戻すよう、各国への働き掛けを強化してください。 以上
[1] Reported impact snapshot | Gaza Strip (17 September 2025)
[2] 毎日新聞「イスラエル軍 「ガザ市制圧に数カ月」 住民60万人残留、長期化恐れ」2025年9月18日
[3] GAZA STRIP: Famine confirmed in Gaza Governorate, projected to expand | 1 July – 30 September 2025
[4] IPC “WHAT IS FAMINE
[5] Gaza: Nearly 1,400 Palestinians killed while seeking food, as UN warns airdrops are no solution
「停戦を、食料を、今すぐに」実行委員会
以下委員会参加団体(50音順)
特定非営利活動法人APLA
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
株式会社オルター・トレード・ジャパン
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
公益財団法人日本YMCA同盟
公益財団法人日本YWCA
特定非営利活動法人パルシック
特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
ピースボート
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
■ガザからのメッセージ
●ピースウィンズ
ガザ障害者ユニオン代表のアイマンさんからのメッセージ
月曜日、私は心が張り裂ける思いで、ガザの自宅を後にしなければなりませんでした。 全てを後に残す痛みは言葉では言い表せません。現在、中部地区のアル・ブレイジ難民キャンプにある、まだ建設中の第二の家で避難生活を送っています。
これは、私がこれまで下した最も辛い決断の一つでした。あらゆる家、あらゆる思い出が壊されました。私たちの近所が残酷に破壊されるのを目の当たりにし、私は打ちのめされました。私にどれだけの力が残っているのか、想像もつきません。
「ここの現実は言葉で説明するにはあまりにも難しく、100語、いや1,000語でまとめるにはあまりにも複雑です」。ガザでは、私が支援する障害者たちが、医薬品も食料も、そして最低限の日用品さえも手に入らない状態で閉じ込められています。中には家を出られない人もおり、子どもたちは絶え間ない爆撃の中、家族が水と安全を求めて動き回っているのを、無力なまま見ています。それでも彼らは平和を夢見ています。日本の皆さんの声こそが、この沈黙を破ることができるのです。私たちと共に立ち上がり、停戦を求め、この苦しみを終わらせる力となります。人類は戦争よりも強く、そしていかなる命も、特に最も弱い立場にある命も、決して見捨てられてはならないことを、世界に示してください。
●パルシック
①ヨルダン川西岸地区、ラマッラのスタッフからのメッセージ
ガザでは、飢餓が宣言され、子どもたちは栄養失調に苦しんでいます。百万人を超えるパレスチナ人が避難を強いられていますが、安全な場所はなく、移動に必要な費用さえ払えない人々もいます。私たちはすでに6万5千人以上を失いました。西岸に暮らす私たちは、ガザの仲間に対して、まずは申し訳なさを感じています。
西岸の状況も決して良くはありません。しかし、ガザに比べると安全ですし、目の前に飢餓が迫っているわけではありません。多くのパレスチナ人が声を上げようとしました。
でも今では、何もできない状況に追い込まれています。逮捕され、家を破壊される恐れがあるからです。2年もの間、眠れぬ夜を過ごすガザの仲間を思うと、無力さを痛感します。
そして、希望を失いそうになります。西岸でも、これから何が起こるかわかりません。
ガザのようになるかもしれません。そうなっても、ガザがそうであるように、西岸も世界から置き去りにされ、だれも助けてくれないだろうという絶望を感じています。それでも今行動しなければ。沈黙を続ければ、さらに多くの命が失われることは確かです。
②ガザ市出身、戦争中に二人の娘が生まれたガザ現地スタッフからのメッセージ
2023年10月以降、私たちが絶え間ない爆撃に苦しんでいることは、皆さんもご存じだと思います。殺戮と破壊、そして飢餓の中で、これまでに十回以上も避難を強いられました。そのたびに家も夢も奪われ、死と隣り合わせで生きています。2週間前、私は再びガザ市の自宅を離れ、中部のデイル・アルバラに避難しました。今年1月にやっと戻れた家から、また離れることになったのです。その時は本当に打ちひしがれました。今も、自宅が完全に破壊され、もう二度と戻れないのではないかと思うと胸が痛みます。
いま私たちは最低限の生活もままならないテントに住み、家から遠く離れた場所で、終わりのない不安の日々を過ごしています。食べ物も十分になく、テントには電気もありません。避難とは、ただ場所を移ることではありません。戦争前の美しい思い出をも失うことなのです。どうか、私たちの声を聞いてください。この痛みを感じ、私たちが数字ではないと知ってほしいのです。苦しみと打ち砕かれた希望の中で生きていますが、私たちも皆さんと同じ人間です。そして今も、罪のないガザの人びとに寄り添い、助けてくださるすべての方々に、心から感謝しています。
●日本国際ボランティアセンター
①ガザで暮らす、アマーニさんの状況について
住む家の隣の建物に退避命令がでて、空爆の衝撃を恐れて逃げました。しかし空爆にあったのは彼女の家でした。何も持っていくことはできませんでした。子どもたちに靴を履かせる時間もなく、着の身着のまま家を出て、避難をしました。今は一時的に避難先に身を寄せていますが、お金も身分証も洋服も、何も持っていません。精神的にもとても苦しんでいます。空爆にあうまえはまだ小さな希望を持っていましたが、それも打ち砕かれてしまいました。彼女は国際社会に訴えます。子どもたちに洋服や食料を届けてください。どんな形でも構いません。幼い娘には食べ物とミルクが必要です。私たちには、支えてくれる人が必要です。少なくとも子どもたちのために、皆さんが私たちとともに立ち、助けてくれることを望んでいます。
②ガザの現地スタッフからのメッセージ
すべてが根本的に変わってしまいました。ガザでの生活がどんなものになってしまったのかを表現する言葉が見つかりません。私が今、考えているのは、生き残ることだけです。
こんなに絶え間なく恐怖を感じることになるとは想像もしていませんでした。不安と恐怖で胃が締め付けられ、一瞬一瞬、命の危険を感じています。食べ物については、話すことさえ恥ずかしく感じます。今は、食べ物がほとんどありません。想像してみてください。空腹を紛らわすためだけに食べても、満腹にならない感覚を。体重は16キロ近く減りました。 毎日、病気にならないように祈っています。薬も医療もありません。
そして、一番恐れていることは、行き場もなく家を追われることです。私はずっと、「まだどこかに希望がある 」と同僚に伝えました。しかし今、悪夢は再び訪れ、より凶悪に、より壊滅的になりました。平和が近いと信じていた自分が恥ずかしく思いました。今、感じていることを表現するには言葉が足りません。でも、私たちが緊急に、切実に平和を必要としていることは確かです。私は誰のバックグラウンドも、人種も、文化も、性格も、ジェンダーアイデンティティも気にしません。ただ平穏に暮らしたいだけです。私は人間です。人間として生きたいのです。
●国境なき医師団
ガザ北部に暮らす女性、ハナンさんからのメッセージ
あの日、爆弾が落ちて娘は巻き込まれました。私は次の爆撃も構わず、炎の中を走りました。そこに娘がいるから。でも娘は、助かりませんでした。
生きている実感はもうありません。娘が殺された日に、私の人生は終わったのです
ほんの一言話すことさえつらいです。もう何もしたくない。ただ、娘の思い出と一緒にいたい。それだけです。世界中がこの状況を知っているはずです。皆さんはこんな現実に耐えられますか。
●YWCA
ガザで暮らすハニンさんからのメッセージ
こうやって話している間にも、私のスマホには近隣の建物が破壊されようとしている通知が入っています。今にも、自分のいる建物が破壊される通知が来るかもしれません。絶望的な状態ですが、私たちは揺らいではなりません。スムード、忍耐というこの強い意志は、私たちを取り巻く恐ろしい状況にかかわらず、何もないところから何かを作り出し、生きることを愛するということです。
ガザの子どもたちは安全というものが何かも知りません。シェルターに入ってもそこが爆撃されてまた避難することになります。家を失うことは、安全という概念を失うことです。私があきらめない動機は、専門家として、子どもたちにとっての安全・安心という感覚をほんの少しでも与えることです。私の声をあなたがたが聞き、私の声が届いているということが私にとっての希望であり、動き続ける力の源です。
●パレスチナ子どものキャンペーン
①支援を受けに来た母親ホダ・オマルさんからのメッセージ
4人の子どもたちの母親です。私は夫を亡くしたため収入もありません。ガザ北部の海沿いにいましたが、激しい爆撃と銃撃から逃れて、中部のブレイジ難民キャンプへ避難しました。しかし、そこには飲み水も食料もテントもありませんでした。誰か入れてくれないかと、テントからテントをたずねて回りましたが、私たちを入れてくれる人が見つからず、路上にとどまるしかありませんでした。トタン板と毛布を使って覆いをつくり、避難生活を送っています。最も大きな困難は水です。ここでは飲み水が手に入らないのです。水を手に入れるために、私の息子がとても遠くまで歩いていかなければなりません。
②ガザ、現地スタッフからのメッセージ
今日、ガザの誰もが絶望的な2つの選択肢の間に立たされています。ひとつは、皆で一緒にいて死を迎え、誰も残されることなく共に最期を迎えるという選択。もうひとつは、家族の一部でも生き延びることを願って、別々の場所へと散らばること。家族として一緒にいるべきか、それとも、誰かが生き延びる可能性に賭けて別々に行動すべきか。無差別な攻撃と、人命を軽視するイスラエル軍の行動のもと、愛する人と、墓や儀式もないまま永遠の別れを迎えなくてはならないという現実。戦争の勃発以来、ガザのパレスチナ人家族は毎日、耐えがたいジレンマに直面し、多くが心を引き裂かれるような決断を迫られています。単なる人道的危機ではなく、世界がほとんど沈黙を保つ中で進行している、道徳的な大惨事なのです。
●YMCA
ガザYMCA理事のエリアス・アル・ジェイダさんからのメッセージ
ガザYMCAは、攻撃開始直後に建物を失いましたが、キリスト教会を拠点とした支援活動を続けてきました。穏やかな日には、支援活動を行っていますが、穏やかな日は稀です。ほぼ毎日、空爆があり、負傷者で溢れています。病院に行っても何もありません。薬もなく、治療も受けられません。医師でさえ殺されています。路上にはゴミが山積みになり、病気や汚染が深刻化しています。飢餓は噂ではなく、現実なのです。
●セーブ・ザ・チルドレン
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長のインゲル・アッシンが国連安全保障理事会で発表した声明の一部
子どもにとって栄養不良と飢餓が具体的に何を意味するのかを簡単に説明します。食事が1日とれなければ、子どもは変化し始めます ― 活力や集中力を失い、苛立ちます。数日食事をとらなければ、彼らの体は生き残るために自らの脂肪を消費し始め、食欲を失い、集中力を失います。2週間経つと、その過程は加速し、彼らの小さな体は急速に衰弱します。心臓・肝臓・腎臓の機能が弱まり、免疫システムも崩壊して感染症が容易に広がり下痢、肺炎、敗血症にかかりやすくなります。この段階になると脂肪は残っていないため、体は筋肉や臓器そのものをゆっくりと、苦痛を伴いながら消費していきます。
腹部は膨れ、皮膚は脆くなります。3週間を迎える頃、飢餓は最終的で壊滅的な段階に至ります。子どもの目には潰瘍ができ失明し、髪が抜け落ち、臓器は停止します。動くことも、声を出すことも、泣くこともできず、最後に息を引き取ります。
一度こうした状況になると緊急の栄養支援や医療を受けた子どもでさえ、発育不良のまま成長することが多くなります。発育不良の子どもは、生涯にわたって、認知発達の遅れ、免疫力の低下、慢性疾患のリスクが高まる可能性があります。栄養不良の母親から生まれた子どももまた、生涯にわたり小柄なままである可能性が高いのです。飢饉の影響の多くは取り返しがつきません。死と喪失、肉体的・精神的な被害は、生涯、さらには何世代にもわたって続きます。飢えは子どもの体に刻み込まれています。ガザでは、ただ生き延びられるかどうかすら不確かだということを、常に突き付けられています。この約2年間、国際社会はパレスチナの子どもたちを守ることができませんでした。皆さんが行動を起こさない限り、ガザの子ども世代に保証される運命は飢餓によって命を落とす以外ありません。引き続き子どもたちのためのアクションをお願いいたします。
●ピースボート
吉岡代表からのメッセージ
昨日、長年の友人であるパレスチナ人のNGO活動家から悲しい知らせがありました。同僚の女性がイスラエル軍の攻撃で殺されたとのことでした。6歳になる息子が残されたそうです。言うまでもなく、ガザでは、このような悲劇が毎日毎日、繰り返されています。残忍で耐え難い日常です。私たちには想像を絶する日常です。では、ガザで起こっていることに対して私たちに何ができるのか?人道支援物資を届けることさえイスラエル軍によって阻止されている現状おいて何ができるのか?
まさに、その答えが今日の集いだと思います。私たちの行動こそが、この許し難い戦争犯罪を止めることができる。私たちの行動こそが、ガザの人々に希望を届けることができる。私はそう信じます。私たちは微力かもしれない。しかし決して無力ではありません。世界中の市民が今、ガザの人々を応援しています!私たちは私たちの責任で日本政府を動かし、即時停戦と人道支援の即時再開、そしてパレスチナの国家承認を1日も早く実現すべく行動しましょう!






