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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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活動内容

時局対応支援

 アーユスでは、NGOからの要請に応えて、その時局に必要と判断されるプロジェクトを支援しています。緊急時対応、復興支援、意識啓発のための活動で、今すぐに資金が必要な場合、迅速に対応します。

背景と目的

 アーユスは、NGOが紛争や自然災害などの緊急事態発生直後に迅速に活動を開始するための資金協力を行ってきました。日本政府からも日本のNGOの緊急救援活動に対する資金提供は増えていますが、アーユスはNGOが政治の方針に左右されず、独自のスタンスのもとに緊急援助および緊急援助後の復興段階で援助活動が遂行されることが極めて重要と考えています。

 こうした観点から、特にNGOの緊急救援活動の初動段階や、NGOへの支援が集まりにくい非常事態への対応、国際的なキャンペーンや啓発活動への協力に特化して資金提供を行っています。

 ○NGOのみなさま、時局対応支援の基準や仕組みはこちらのページをご参照ください。

 ○2020年に、国内災害支援規程を作成しました。会員・関係者・NGOのみなさま、アーユスのネットワークを駆使して国内災害の被災地支援・災害の軽減に関する活動に取り組みたいと思います。


2024年度

原発再稼働への対応

滋賀原発の原子力防災・避難訓練の様子

志賀原発の原子力防災・避難訓練。避難する車の放射性物質を測定する訓練をしている石川県職員

●実施団体 FoE Japan

 2011年の東日本大震災の後、原発利用について多くの提言や検証すべき事項が出されましたが、それらが対応も検討もされないままに原発再稼働が進んでいます。2024年1月に起きた能登半島地震では、仮に原発施設の下で地盤のズレ等が起きていたら、現行の原子力災害指針に基づく避難計画では住民を守ることができないことが明らかになりました。
 この事業では原発避難計画の実効性や使用済み核燃料の問題に焦点を当て、各地の市民団体と連携して原発再稼働を止めるための情報発信や活動を行いました。志賀原発の避難訓練に参加し地震被害の確認を行う他、原発立地で活動する市民団体と連携しながら報告会やシンポジウムを開催。また再稼働にともなって増える使用済み核燃料の取扱についても問題提起をし、東京電力や青森県に対しての署名活動も行いました。

 

スーダン南コルドファン州 大規模戦闘下での緊急種子配布による食料安全保障

スーダンでの種子配布の様子

写真:紛争や悪天候で食糧不足に陥っている南コルドファン州で、シングルマザーの家庭などに種子を配り、菜園研修を行っています。

●実施団体 日本国際ボランティアセンター(JVC)

 2023年4月からスーダン国内の軍事衝突が激しくなり、1000万人以上が国内外で避難を余儀なくされています。各地で道路が封鎖され物資の流入も停滞してしまい、深刻な物資不足・食糧不足に陥っています。
 JVCの活動地がある南コルドファン州でも食糧不足は深刻になりました。多くの人々は農業を生業にしていますが、紛争や悪天候が影響して2023年の収穫量は少なく、2024年は十分な食べ物どころか種子すら残っていない状況でした。
 そこでJVCはシングルマザーの家庭など経済的にも脆弱な家庭を中心に、種子の配布と菜園研修を実施。食糧を得るだけでなく適切な種子管理などを学ぶことで、継続して自給自足の生活ができるよう支えました。
 ※この事業は2025年6月時点では、種子の配布と菜園研修が終了し、収穫に向けて継続中です。

ウクライナ緊急救援 

キーウ小児外来病院の様子

写真:キーウ小児外来病院の子どもたち。ドローンによる突然の攻撃が日常化し、緊張した毎日を強いられています

 

●実施団体:チェルノブイリ救援・中部
●事業名:戦争による被害を受けたウクライナの子どもの支援

 活動地のキーウ州やジトーミル州では、日常的にロシアからドローンやミサイルによる突然の攻撃があり、住民は空襲警報が鳴ると昼夜問わず地下壕に逃れる毎日です。地下避難所がない学校では授業は行われておらず、地下壕があっても、授業に必要な機材などが不足しています。病院も攻撃され、十分な治療も受けられません。破壊されたインフラの修繕も進まず、戦時下の生活を強いられています。
 昨年度は、児童創造センターの暖房機器と幼稚園の授業に必要な機材、外来病院へのパソコンなどの機材の支援に協力しました。現地からは、子どもたちのストレスが和らぎ、安心な日常生活を送れるようになったと報告を受けています。

ガザ緊急救援

 2023年10月以来、日々厳しさを増すガザ地区の人道危機。2025年1月の停戦合意で、一旦は国内避難民の帰還が進んだものの、破壊尽くされた町の中で自宅を探し出せない人もいました。また3月2日以降は物資の搬入が止まり、その後攻撃が再開されて、致命的な飢餓状態に追い込まれるほどの人道危機が続いています。

ガザの子どもの栄養状態を確認する様子

炊き出しに集まるガザの人々

写真上:ガザの子どもの栄養状態を確認している様子 写真下:炊き出しに集まるガザの人々

 

●実施団体 日本国際ボランティアセンター(JVC)
●事業名:パレスチナ・ガザ地区における子どもの栄養に重点をおいた緊急支援

 現地提携団体と共に、子どもの栄養状態の確認と栄養補助食の配布、カウンセリング等を実施。また激しい物価高騰を受け、2歳以下の子どもがいる、女性が世帯主で収入源がない家庭に、現金支給を実施しました。別の提携団体とは、乳幼児用粉ミルクと医薬品を配布しました。
 5人の子どもと共に避難生活を送る30代のシングルマザーは、子どもの健康診断と栄養士によるフォローアップ、粉ミルクの提供を受けました。帰り際、涙ながらに「どうか子どもたちのことを忘れないで」と訴えたということです。

●実施団体 パレスチナ子どものキャンペーン
●事業名:炊き出しや給水などの緊急支援

 2024年1月以降、炊き出しと給水支援をほぼ毎日実施しました。炊き出しは、長年にわたって活動を共にしてきた「アトファルナろう学校」と提携して、障がい者がいる脆弱な世帯を対象に行っています。
 聴覚障がいを抱える子どもを持つ母親が、「母親として、我が子が空腹なのを見ても助けてあげられないことほど辛いことはありません。でも今は、子どもたちにちゃんとした食事を作ることができます。彼らはお腹をいっぱいにして眠りにつくのです。夜、空腹で泣き叫ぶ声を聞く必要もありません」と語っていたそうです。

能登半島地震緊急支援

輪島の被災者への物資配布
みんなでほっこり安楽寺

写真上:被災者に配付する物資は、フードバンクなどからの提供に加え、地元の商店でも調達して、地元経済にも還元 写真下:人形劇で、子どもたちはもちろん、トラウマを負った大人の被災者の方々にも楽しいひとときを過ごしていただきました

 

●実施団体:パルシック
●事業名:輪島市重蔵神社における能登地震被災者への物資配布

 輪島市の重蔵神社は、能登半島地震発災直後から物資の配布拠点として注目されていました。断水が解消された5月半ば頃から利用者が減ると思われていたところ、近隣にできた仮設住宅の入居者が増えたこともあって、利用者数はむしろ増加に転じました。5月に実施された利用者アンケートによると、経済的な理由から食料や衣料など必要なものが買えない・買い控えをする人が81%いることの上に、このような場所が精神的な拠り所になっていることもわかり、パルシックは7月から9月の3ヶ月間、週1回の物資配布事業を担うことになりました。
 物資は、フードバンクなどから提供されるもののほか、地元の商店でも調達しました。被災者の経済的負担のみならず、人と人が交流できる機会にもなり精神的負担の軽減にも繋がりました。

●実施団体 人形劇団むすび座がやってくる実行委員会
●事業名:みんなでほっこり安楽寺

 大きな地震が能登半島を襲ったのは、元日のことでした。次のお正月が近づくにつれて、被災された地域の方々はだんだんと気分が落ち込んでしまうであろうことは想像に難くありません。そんな年末間近のクリスマスに、子どもたちが楽しみ、地域の人たちも明るい気持ちで新年を迎えてもらおうと、お寺を会場に人形劇を楽しむイベントを実施しました。
 七尾市の安楽寺さん、七尾市在住のアーユスの元スタッフ、名古屋市のアーユス関係寺院が協働して人形劇団を招き、子どものみならず、地域の人たちを元気にする企画です。総勢80名を超える人が集まり、会場は満席。質の高い内容に、子どもたちが大興奮するだけでなく、大人たちからも「大変な一年だったが、こういう良い出会いもあった」などの声が寄せられました。

トルコ・シリア大地震 

シリア地震で被災した女性世帯に食糧を配付

 

●実施団体:パルシック
●事業名:トルコ・シリア地震で被災した女性世帯への食料配布事業

 シリアの北部は、地震前から経済が悪化して、既に国内避難民が発生していた場所でした。そこに地震が襲ったために、更なる国内避難民が発生して人道支援が不足する状況がおきていました。このような状況下、パルシックは震災のために住む場所を失った女性世帯が避難しているキャンプで、寡婦もしくは離婚者を対象に、5ヶ月にわたって月1回、食糧バスケットを配布しました。
 食糧がどこからも支援されていなかったこのキャンプでは、パルシックは2024年1月から支援を実施していましたが、同年5月からの資金がなかったため、アーユスの資金が活動の継続に生かされました。


2023年度

◎パレスチナ緊急救援 「パレスチナ緊急募金 ー命を守るー」、アピール文の発表など)
◎アフガニスタン 女性教育支援
◎ウクライナ緊急救援
◎トルコ・シリア大地震緊急救援


2019年度

バングラデシュで発生したサイクロンBulbulの被災者に対する緊急救援支援 家屋再建支援活動

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写真上:支援前の家屋;写真下:支援後の家屋

●実施団体 シャプラニール=市民による海外協力の会

 2019年11月にサイクロン「ブルブル」が、バングラデシュの南西地方沿岸部を襲い、家屋損壊、道路寸断、停電やネットワークの切断、農作物の損害など、様々で多大な被害が発生しました。シャプラニールは、被災地において地域行政とパートナーNGOとの調整のもと、サイクロンにより家を失った最も貧しい53世帯を対象に、家屋再建支援を実施しました。

 対象地域は、他の援助団体が支援を行うこともなく、政府からの支援も十分に行き届いていない場所であり、支援から取り残されそうな人たちのニーズに迅速に対応することができました。障害者の家庭など、自力で家屋再建が難しい世帯もありましたが、パートナーNGOの呼びかけによって助け合いの輪が広がり、家屋再建が完了しました。

台風19号被災地支援

 2019年10月12日、台風19号は、日本列島を広範囲にわたり被害を及ぼしました。アーユスはその中でも福島県いわき市でのボランティア派遣や郡山市での物資配布など、パートナー団体による活動を支えました。

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●実施団体 シャプラニール=市民による海外協力の会
●内容 福島県いわき市に10月17日から22日まで先遣隊を送り、物資配布と現状視察をしたのち、11月2日から4日まで、そして11月21日〜25日までボランティアを派遣しました。被災家屋の掃除、ゴミの搬出から、泥かきなどを行い、復旧に向けてのみちのりをお手伝いしています。

●実施団体 パレスチナ子どものキャンペーン
●内容 10月21日に福島県で物資配布と現状視察をおこない(アーユススタッフも同行)、その後、いわき市でのボランティア活動を随時おこなっています。

●実施団体 有明支縁会
●内容 栃木県佐野市でのボランティア活動に始まり、福島県郡山市を中心に被災者への物資配布、そして長野市へのボランティアバスを出すなど、広範囲にわたる被災地支援に取り組んでいます。
写真1枚目
・ガードレールまで浸水したという伊達市の畑(アーユス撮影)
写真2枚目&三枚目
・台風直撃から2週間後のいわき市(パレスチナ子どものキャンペーン提供)

▶台風19号被災地での支援活動1(パレスチナ子どものキャンペーンによる福島県いわき市での炊き出しにアーユスも参加)
▶台風19号被災地での支援活動1(パレスチナ子どものキャンペーンによる福島県いわき市での炊き出し)
▶台風19号被災地訪問記2(福島県いわき市)
▶台風19号被災地訪問記1(福島県中通り)

モザンビーク サイクロン被災農民への緊急種子支援

200x133 200x133 200x133写真上から
・家を失った方々の現在
・畑が水に覆われている中、物資を運ぶ人たち
・水につかり枯れ果ててしまった作物

●実施団体 日本国際ボランティアセンター(JVC)
●内容 3月14日から15日にかけて、非常に強い勢力のサイクロン「アイダイ」が、アフリカの南部を直撃。中でも東海岸に位置するモンザビークは大打撃を受け、約1,000人の死者に加えて推定20万人が避難を余儀なくされました。
 既に多くの人道支援が実施されてきていますが、人口の大半が農民という地域では、種の確保が喫緊の問題です。
 畑はちょうど収穫を直前に控えていましたが、全て一掃され、食料難が懸念されています。加えて、次の収穫に向けての種まきも早々にしないといけない時期にもかかわらず、種も流されました。10月には秋の種まきが始まるために、それまでには多くの種子が必要とされます。
 しかし、種子の問題は注意深く関わらないといけません。量産と緊急性だけを考慮すると、次の世代に続かずこれまでの農業に影響を及ぼす遺伝子組み換え種やF1種が入って来る可能性があります。
 そこで、日本国際ボランティアセンター(JVC)は、被災地域の中でも生活の困難を抱える小規模農家200世帯に向けて、在来種子と農具の支援を開始。ADRAモザンビークをパートナーに、「Do not harm(傷つけない)」原則にのっとりつつ、現地のニーズに応えていきます。今後も現地の情報を集めながら、二次、三次支援も視野にいれています。
 アーユスも、資金協力を行い、今後も状況を注視していきます。

団体ホームページはこちら


アーユスの活動は皆様のご寄付によって支えられています。助け合いの縁を広げていきたいと思います。ご協力宜しくお願いいたします。

 

これまでの支援先:●2018年度 ●2010年度〜2011年度