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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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時局対応支援

時局対応事業支援2018年度

2018年度

パレスチナ人道支援への協力

 難民支援といえば、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が世界各地で活躍していますが、パレスチナ難民だけは庇護の対象とされていません。パレスチナ難民を庇護する機関は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)であり、UNHCRより1年ほど早く設立された古い機関です。
 UNRWAは、今年大きな危機に直面しました。その資金の約3割を負担してきた米国が、資金拠出の打ち切りを発表したからです。パレスチナ難民は、UNRWAからの援助に大きく支えられているために、彼らの暮らしがますます困窮することが予想されています。
 またパレスチナ・ガザ地区では、2018年3月に始まった「帰還への行進※」により、負傷者が絶えず、病院では治療を受ける人が列をなすだけでなく、対応できる医療品が不足しています。  アーユスでは時局対応支援事業として、次の2つの事業への協力を開始しました。

「パレスチナ・ガザ 負傷者治療・リハビリのための緊急支援」

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●実施団体 日本国際ボランティアセンター(JVC)
●内容 ガザ地区において、リハビリテーションや専門手術に対応できる「エル=ワファ病院」に医薬品や医療機材を支援。封鎖政策により既に薬品・設備が不足している中、医療支援ニーズが短期間で増大している。この病院は負傷者が生活ふっきするために重要な役割を果たしていると判断し、支援するに至った。

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「レバノン・ベカー県のパレスチナ人シリア難民世帯への燃料支援」

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●実施団体 パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)
●内容 シリアに逃れていたパレスチナ難民が、2011年に起きたシリア危機以来、隣国のレバノンに二重難民・再難民となって逃れている。そもそもパレスチナ難民であるために、UNRWAの庇護の元に暮らしているが、UNRWAからの支援が減少傾向の中、米国がUNRWAへの拠出停止により、パレスチナ難民が置かれた状況はますます辛いものになっている。特にベカー県は山間部にあるために、冬場は零下10度まで冷え込むため、燃料の確保は必須だ。CCPは、パレスチナ人シリア難民が安心して冬を越せるよう、1,550世帯に向けての越冬支援を開始した。

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※帰還への行進  毎週金曜日、故郷への帰還を求めてガザ地区とイスラエルの境界に向かって歩くデモ。2018年3月に始まって以来、多くの若者が参加している。しかし、イスラエル軍は実弾を使って徹底的に鎮圧しようとしているため、国連人道問題調査事務所の報告によると、2018年8月16日現在で、18,000人以上が負傷し、177人が亡くなっている。この背景には、11年にわたり、ガザが陸海空と封鎖されてきており、慢性的に失業率が高く物資が不足しているだけでなく、人々、特に若い世代が抱える絶望感があると言われている。