福島/脱原発/東日本
福島/脱原発/東日本2018/06/15ツイート
畑で太陽光発電! 二本松で始まる。
畑では大豆が育ち、その頭上では電気が作られる。二本松有機農業研究会(以下、有農研)による、営農型発電整備「ソーラーシェアリング」事業が、ついにに始まろうとしています。
福島第一原発の事故は、無農薬有機栽培の農産物を作り販売してきた有農研に大打撃を与えました。当初、ほうれん草からセシウムが検出され、それまで提携していた消費者からは契約の打ち切りの連絡が続いたと聞きます。
しかし、その後も諦めずに試行錯誤しながら農業を続けたところ、翌年はほうれん草からセシウムは検出されませんでした。いい土を作り、野菜を育て、収穫したものは全て線量を計測し続けたところ、土とセシウムの関係もわかるようになったそうです。
そんな中、有農研のメンバーは、野菜は作ってきたものの、エネルギーは人任せにしていたことを実感し、発電事業を始めることを決意しました。ドイツまで赴き農民による発電組合を視察し、(※1)日本国内でも再生可能エネルギーづくりの取り組みを見て回りました。その結果、農業をしながら発電ができるソーラーシェアリングに、まずは挑戦してみることになったのです。(※2・※3)
しかし前例がないことだけに、農地にソーラーシェアリングを設置する許可がおりるのに1年半も待つことに! この間、有農研のメンバーが亡くなるなど辛いこともありましたが、諦めずに許可申請をし続けて、2018年5月にようやく工事を始めることができました。
以前から有農研の取り組みに関心をもっていたアーユスの会員・関係者の方々も工事のお手伝いに参加。地域の方々と共に熱心に取り組んでくださり、作業は順調に進みました。7月には設置が完成予定。いずれ、合計990枚の太陽光パネルが発電を始めます。
ここで発電された電力は、再生可能エネルギーを中心に販売する小売電力会社に売電される予定です。現地視察ツアーも企画しています。ぜひ農業者による再生可能エネルギー事業に、今後もご注目ください。
*二本松有機農業研究会をバネに、飯舘電力で再生可能エネルギーを進めている近藤恵さんが、朝日新聞にて紹介されていました。
※1 アーユスは渡航費の半額を協力しました。
※2 パネルサポーターを募集し、56人の方により165枚のパネルの購入費が集まりました。この事業はAPLA、JIM-NETとの共同で行っています。
※3 アーユスも50万円の協力をしました