福島/脱原発/東日本
福島/脱原発/東日本2016/09/06ツイート
福島の子どもの保養合宿アドベンチャー
このところ例年行事となっている「福島の子どもの保養合宿」を、今年も8月17日〜20日に富士吉田市で実施しました。2011年に始まったこの活動は、今年で6回目。募集を開始したとたんに49名もの応募があり、バスや宿泊所の調整に頭を悩ませましたが、最終的には36名の子どもと、武蔵野大学から12名の学生ボランティア、アーユスから4名のボランティアに現地スタッフと、総勢60名近い大所帯で3泊4日を過ごしました。
この活動の目的は、福島の子どもたちに放射性物質の影響がないところで過ごす時間を持ってもらうことです。また放射性物質がたまっているホットスポットを気にすることなく、思い切り外で遊んでもらいたいという思いもあります。
さて、台風が押し寄せる中の開催。時折、強い雨に襲われることもありましたが、長く続かなかったおかげで、なんとか全てのプログラムをこなせました。
その中でも、今年の目玉は、フォーレストアドベンチャーという野外活動。木を登り、ロープを伝って移動するのが基本ですが、最高15メートルまで登る、かなり体力と筋力を使うアクティビティです。小学校3年生以下の子どもには、比較的簡単なキャノピーコースがありますが、メインのアドベンチャーコースは身体をハーネスとロープで固定し、それを上手い具合に操作しながら進みます。大学生ボランティアを始めとする大人1人につき2人の子どもでチームをつくり、合計4つのコースをこなしていきました。ダウン症の参加者の1人は、キャノピーコースを見事に制覇。一歩ずつ着実に前に進む姿は、下から見上げていても頼もしかったですね。(えっ、私? 写真撮影に徹する働き者でした)
ほかには、お念珠作り、ピザ作り、プチハイキングに、富士急ハイランドなど、楽しいプログラムづくし。これらは企画・運営はすべて正福寺・如来寺・大正寺を中心とする浄土真宗本願寺派都留組の尽力のたまものでした。お盆明けのお疲れであったにも関わらず、丁寧で安全に気を配られた受け入れをしていただきました。
子どもたちが無事に郡山市に戻ったあと、親御さんたちから続々とお礼のメールを頂戴しました。その中には、「普段は除染が終わった公園などで遊ばせているけれど、やはりどこか不安をぬぐい切れずにいる。このような保養に参加できる機会があって嬉しい」というようなものがあり、この活動の必要性を感じたものです。親御さん達は、様々な思いを持って子ども達をこの保養に送り出しているのでしょう。
雨続きの中、ようやく顔を見せてくれた富士山 @富士急ハイランド | お昼のピザはこねるところからトッピングまで自分たちで作りました。美味しい♪ |
お念珠づくり。難しいところは、大学生ボランティアの人に教えてもらいながら〜。 | また会おうの集い。また会いたいね、また来たいねと、お別れの会です。 |
この活動は多くの方々によって支えられています。富士吉田市のパン屋さんからは毎年のように帰りのバスの中で食べるパンを頂戴し、富士急ハイランドは子どもの入園料を、富士吉田市からは宿泊施設の子どもの宿泊代を無料にしていただいています。ソロプチミストからはお米の寄附、その他、各寺院のご門徒さんの惜しみない協力によって成り立っています。
いろいろな思いがつながったからこそ、いい時間を作ることができたのだと思います。(枝木美香)