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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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福島/脱原発/東日本

福島/脱原発/東日本2013/05/17

4月22日に福島の支援先を訪問しました


 4月22日に福島県郡山市の「安全・安心・アクション in 郡山(3a!)」と、伊達市月舘町の「つきだて交流館もりもり」を訪問しました。アーユスは、昨年度から3a!には活動に係る運営資金を支援しており、「つきだて」には昨年5月に食品放射線測定器を寄贈しました。

 3a!では、小さな子どもを抱えているお母さんたちが集まって定期的に座談会を行っており、その声を要望書として行政に届ける活動や、野菜・食肉などの放射線量の測定を行ってきましたが、放射能に対する関心が地域全体で低くなっているとのこと。3a!の活動に関わるお母さんたちの数も以前と比べて少なくなっているとのことで、危機感・孤立感を深めている様子が伝わってきました。それでも毎週火曜日に西日本などから寄せられる安心かつ新鮮な産直・有機野菜などを販売する「お野菜マルシェ」は好評で、完売することも多いそうです。

 最近の活動としては、 甲状腺エコー検査や血液検査など被爆健康診断で子どものデータを把握したいとの声が多数寄せられたため、健康診断費用の支援に力を入れているとのこと。30人限定で募集したところ、それを上回る応募があったそうです。今後は健康診断の費用補助を大人にも対象を広げていきたいとの希望をもっているそうです。また、一定期間の保養とその間の学習支援のニーズが高まっていて、放射線量の少ない地域で一週間ぐらい学習指導者付きで勉強できる環境があればというニーズが高まっているとお聞きしました。

 

 一方の「つきだて」は、宿泊施設の利用に関しては震災前の水準に戻りつつあるようですが、特産品だった山菜やキノコ、アンポ柿などの生産・販売は全くメドが経たず、直売所の売り上げも落ち込んだまま。このまま何年も再開できないとお年寄りの人たちの生きがいが失われ、地域社会がますます疲弊してしまうことが懸念されます。

 こうした状況を何とか打開したいと放射能の空間線量が0.3~0.4と依然として高い状況が続いている中、除染が終わった場所限定で子どもの体験学習を再開したい意向を持っていることを伺いました。子どもたちがいきいきと自由に遊び学べる環境を取り戻して、地域社会の活性化を図っていきたいという思いが痛いほど伝わってくるのですが、果たしてそれほど高い数値が示されている場所で子どもたちを活動させていいのか、非常に難しい問題です。

 今回の福島訪問には、イラクの子どもたちの医療支援を行う傍ら、福島でも除染や子どもたちの保養活動に取り組む「日本イラク医療支援ネットワーク」(JIM-NET)の関係者も同行しましたが、まずはJIM-NETが計画している福島の子どもたち向けの放射能学習を進めていく中で、子どもたち自身(保護者も)が放射線の危険性を学び、今後放射能とどう向き合っていけばよいのか、一緒にルールを作って考える機会がとりわけ重要であることを実感しました。