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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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福島/脱原発/東日本

福島/脱原発/東日本2014/05/26

二本松:ドイツ視察に関する資金補助の御礼と報告


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ドイツ最大のグントレミンゲン原発の前で集合写真

 この度は、特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク様の資金補助により「ドイツのエネルギー転換と有機農業スタディツアー」に参加させていただきましたことに紙面をお借りして御礼申し上げます。

 私ども二本松有機農業研究会は、1978年より有機農業をつづけてまいりましたが、2011年の原発事故で存在の根幹を揺るがす大きな痛手を被ることになりました。事故をきっかけとしてNPO法人APLAと出会い、共に全6回の「福島百年未来塾」を開催し学びを深めてきました。また、研究会内に「エネルギー部会」を立ち上げ、取引のあった大地を守る会の奨励により、国内5ヶ所の再生可能エネルギー事業所を視察してまいりました。さらに新たに出会った協同総合研究所のご助力により、ドイツの再生可能エネルギー事業に詳しい専門家の講演会を開催することができました。

 いまだ所属農家の収入が、3.11前の66%に留まっている厳しい状況のなかで、農家が関与できる自然エネルギーの創出が自らの所得に寄与するのではないかとの切実な願いから、本気になって取り組もうという機運が高まっています。

個人農家でバイオガス発電をするE.レーダー農場を視察

個人農家でバイオガス発電をするE.レーダー農場を視察

 

バイオガスの原料となるデントコーンのサイレージ

バイオガスの原料となるデントコーンのサイレージ

 平成26年2月2日より7日間のツアーは総勢21名の旅となり、視察先は以下のとおりです。廃炉が決定しているドイツ最大の原発、バイオガスプラント2箇所、エネルギー協同組合のリーダー:M・ディースティル氏によるレクチャー、ビオホテル(オーガニックホテル)宿泊およびオーナーによるレクチャー、伝統品種豚・有機豚生産販売組合、まちづくり協同組合。

 一番の収穫は、再生可能エネルギーの取り組みが自分たちを奮い立たせること、地域が豊かになること、実現可能なことであること、など、漠然と思い描いていたことが前に推し出されてきたように思えたことです。霧が晴れて道が見えてきた感覚といえば適当でしょうか!

バイオガスタンクから出る消化液をためておくタンク

バイオガスタンクから出る消化液をためておくタンク

 放射能汚染地の農産物から放射能は99%検出されませんが、それでも手放しで送り届けるまでに時がかかることは、はっきりしています。また消費者にとっても、特に小さなお子さんをもつ方にとっては手が出ないのは当然の心理です。ですから、私たちにとってもお客さんにとっても、お互いをつなぐものが必要です。それが何なのか、具体策が決まったわけではありませんが、「具体策実現の仕方のヒント」のようなものが今回のツアーで植えつけられました。

 近日中には、エネルギーに関する事業体を発足し、また一歩前進します。本報告でお伝えできたことは限られておりますが、是非とも今後の交流を通じてご恩をお返しできたらと思っております。
(二本松有機農業研究会 近藤恵)