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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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福島/脱原発/東日本

福島/脱原発/東日本2014/04/25

いわき市及び周辺地域の被災地を訪問しました


 2014年4月23日に、いわき市の地元NPO「ふよう土2100」の里見喜生さんのご案内で、東日本大震災及び福島第1原発事故の被災地である富岡町、楢葉町、いわき市の久之浜などを訪問しました。「ふようど2100」は、いわき市を中心に福島県内外で、市民・企業・NPO・行政等との協働による、よりよい地域作りをめざし、まちづくりに関する調査研究・開発、企画・計画策定、施策提言等を行っています。さまざまな活動を行っている中で、地震・津波・原子力災害の経験を多くの人に伝え、これからの人のための教材にしてほしいという思いで、被災地の現場に足を運んで自分の目で見て感じてもらうスタディツアーを行っています。今回は、そのスタディツアーとして被災地をご案内いただきました。

「ふよう土2100」ウェブサイト http://npo-fuyodo2100.org

 まず訪れたのが富岡町での除染作業の現場。海岸近くで多くの人たちが白いヘルメットに大きなマスクと厚手の作業着を着て草刈り作業を行っていました。除染が終わった土地に汚染されていない土砂を運ぶダンプカーの姿がありました。津波で押し流された家屋の残骸を片付けている光景も目撃。このように、福島第1原発から20キロ圏内は3年が経って立ち入り制限が緩和され、津波被害の爪痕が残ったままになっていた地域での撤去作業がようやく始まっています。

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 続いて、富岡駅近くに設けられた東日本大震災の慰霊碑に花束を置き、茂田理事長がお経を上げ、参加者が手を合わせました。近くには、最後まで住民に避難を呼びかけていたために津波に巻き込まれ殉職した警察官が見つかったパトカーがあり、そこにもたくさんの花束が添えられていました。

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 富岡駅から伸びている商店街にあった美容室には地震が起きた時刻のまま止まっている時計が残っていて、この時間を境に多くの人たちの人生が一変してしまったことを考えるとやりきれない思いがこみあげてきました。そのすぐ近くには無人となった家の窓ガラスを割って押し入った形跡が残っている光景を目撃。こんな時になんてことをする人がいるんだろうと人間の愚かさを垣間見させられました。

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 同じ富岡町の中心部にあった東京電力エネルギー館も訪問。エジソン、アインシュタイン、キュリー夫人の生家をモデルとした西洋風の建物が建ち並び、原発の仕組みや安全性をPRする目的で作られた施設でしたが、まさに愚の骨頂。こんなところに私たちが払った電気料金の売り上げがつぎ込まれていたかと思うと怒りがこみあげてきました。

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 最後に訪れたのが、久之浜地区で商売していた人たちが苦難を乗り越えて仮設店舗で作った「浜風商店街」。商店街の人たちが笑顔いっぱいで私たちを出迎えてくれました。ふれあい情報館には震災で津波と火事に襲われて刻々と変化する街の様子を写した写真が壁一面に飾られていて胸が痛みました。大変な状況に置かれながらも前を向いて生きているいわきの人たちから勇気を与えていただきました。

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