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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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平和人権支援

KOREAこどもキャンペーンへの参加

東アジアの平和を考える

 東アジアの未来の平和に寄与することを願い、1998年よりKOREAこどもキャンペーンに参加しています(参加当時は、「北朝鮮子ども救援キャンペーン」)。当初は、北朝鮮でおきた洪水によって引き起こされた食料危機に向けて、食料援助を行い、その後も必要に応じて食料・医療援助、太陽光パネル設置に協力してきました。近年は、主に同キャンペーンとして参加している「南北コリアと日本のともだち展」の活動を通して、日朝関係が厳しいなかでも、日本に住む子ども達の平壌訪問を実施し、顔と顔の見える関係作りに力を入れます。

 朝鮮半島の平和は、東アジアの平和につながります。特に北朝鮮を脅威と捉えることは、日本の武装化に拍車をかけることにもなります。アーユスは、国際協力NGOとして人と人とのつながりを重視し、草の根レベルの関係性を築くことが地域の安定への一助となることを願い、キャンペーンに参加しています。


2016年度

コリア2012

 1998年に「北朝鮮子ども救援キャンペーン(現:KOREAこどもキャンペーン)」に参加して以来、朝鮮民主主義人民共和国のこどもたちへの支援と日朝両国の友好親善、21世紀の東北アジアの平和構築に市民の立場から取り組んできました。
 9月にはおきた大洪水による水害に対しての支援要請が届き、人道支援の立場から協力することになりました。一方で、ミサイル発射実験をはじめとする軍事開発への反対の意をを表明するためにも、次の立場表明を発表しました。、


朝鮮民主主義人民共和国における水害への人道支援をおこなうにあたっての立場表明(2016年11月)

 2016年8月末から9月はじめにかけて、朝鮮民主主義人民共和国の北東部に台風が来襲したことで観測史上最大の大水が発生し、中朝国境を流れる豆満江が氾濫、河畔地域が深刻な被害を受けました。被災した地域は冬の寒さが厳しく、目前に迫った冬の到来でさらなる人道的な危機が起こることが懸念されています。

 9月9日、朝鮮民主主義人民共和国のメディアは「北部の核実験場で新たに研究、制作した核弾頭の威力判定のための核爆発実験を断行した」と報じました。また度重なるミサイル発射実験を繰り返し、8月24日の実験に際しては、これまでのような人工衛星の打ち上げではなく、軍事開発の一環であることを鮮明にしました。一方で、年々規模を増している米韓軍事合同演習やミサイル防衛システムの配備は、同国に対する大きな圧力となり、この地域の軍備拡張と緊張の高まりに拍車をかけています。

 私たちはKOREAこどもキャンペーンを通じて、朝鮮民主主義人民共和国の子どもたちへの人道支援と日朝両国の友好親善、東北アジア地域の平和構築に取り組んできた立場から、相互に緊張と不安、不信感を高めあい、核廃絶に逆行するような行為に強く反対します。
 また、関係各国が朝鮮半島ならびに東北アジア地域の平和実現に向けた積極的な関与の姿勢をとって対話と取り組みを強化し、この地域に根深く残る冷戦構造の解消に努めることを求めます。
 そしてこのような情勢下であっても、水害を受けた人びとに対する人道支援には、政治とは切り離して取り組むべきであると考えます。国連人権理事会のトマス・オヘア・キンタナ特別報告者も「人道的支援は、国連安全保障理事会の制裁から除外されている」と述べています。
 私たちは経済制裁や軍事拡張により、人やものをはじめとした全ての流れが断ち切られてしまう状況を深く憂慮し、この地域の平和づくりに取り組んできた市民として、朝鮮の人々に対する人道支援に取り組みます。

アーユス仏教国際協力ネットワーク、地球の木、日本国際ボランティアセンター


2015年度

コリア2012

 1998年に「北朝鮮子ども救援キャンペーン(現:KOREAこどもキャンペーン)」に参加して以来、朝鮮民主主義人民共和国のこどもたちへの支援と日朝両国の友好親善、21世紀の東北アジアの平和構築に市民の立場から取り組んできました。
 戦後70年の談話が近々発表されると言われる中、KOREAこどもキャンペーンの一員として、次の声明文を発表しました。


戦後70年に寄せる市民からの声明
「今こそ歴史を真摯に受けとめ、市民同士がつながり、東北アジアの平和をつくっていきましょう」

 2015年8月、日本は戦後70年を迎えます。隣国である大韓民国とは国交正常化から50年が経ちましたが、朝鮮民主主義人民共和国とはいまだに国交がなく、今後の関係改善への道すじが見えない状況にあります。
 私たち「KOREAこどもキャンペーン」は、朝鮮民主主義人民共和国の子どもたちへの支援と日朝両国の友好親善、21世紀の東北アジアの平和構築に市民の立場から取り組んできた市民グループです。これまでの活動と経験から、隣国との真の友好関係を築くためには、歴史に真摯に向き合い、市民と市民が直接出会って対話を重ねていくことが何よりも大切であると痛感しています。私たちは、近々発表されるといわれる戦後70年の談話が、1995年の村山談話に含まれていたように、日本が先の戦争および植民地支配に対する痛切な反省と、アジアを中心とする国々の人たちに対して多大な損害と苦痛を与えたことに深いお詫びを表明した内容になることを強く望みます。

 私たちは、1996年に朝鮮民主主義人民共和国で大規模な洪水被害に伴う深刻な食糧不足が発生した際に食料や医薬品等の救援物資を届けて以来、人道支援に取り組んできました。国交がないだけでなく、歴史問題の葛藤を抱えた中で始めた支援は、まさに手探りの状態から出発しましたが、同じ市民の立場で困難を抱える人たちを支えたいとの思いで活動を行いました。さらに、2001年からは、朝鮮半島と日本に住む子どもたちの描いた作品を展示する「南北コリアと日本のともだち展」を、他のNGOや関係団体等の協力のもと開催し、大韓民国や朝鮮民主主義人民共和国でも絵とメッセージを手段とした交流を実現させてきました。それぞれの国で参加した子どもたちが、絵画を通してお互いへの関心を持ち、違いを認め合い、そして歴史に学びながら、ともに平和な東北アジアを築いていく仲間になることを目指して活動を行っています。

 こうした活動は、その時々の政治状況にも大きく左右され、紆余曲折を経ながらも現在に至っています。実際に平壌で開催していた絵画展は、日朝関係悪化の影響もあって、開催できなくなりました。しかしながら、私たちは東北アジアの平和をつくっていくためには日朝の市民交流は不可欠だと考え、諦めることなく市民同士の交流を継続させ、絵画展の再開を粘り強く働きかけた結果、昨年8年ぶりに開催することができました。これは、私たちが地道に平壌の市民と顔の見える信頼関係を築いてきたからこそ可能になったものと自負しています。毎年日本からの訪問団を受け入れている現地小学校の校長先生は、「日本に対して悪い印象を持っていましたが、日本の方が何回も訪問してくださることで、戦争ではなく平和を守ろうとする子どもたちの希望や私たちの気持ちを理解してくれる人たちがいることを知り、お互いの気持ちが近づいたと感じます。こうした平和に対する同じ思いを合わせれば、将来大きな力になると思います」と話してくれました。一方、昨年平壌を訪問して現地の大学生と交流した日本の大学生は、「また会いたいという友人や大切な人ができました。でも簡単に会えない現実があります。その理由や背景を考え、そういう中でどうすればいいのかを逃げずに考え続けたいです」と感想を述べています。

 私たちは上記の活動を通じて、対立を乗り越えるためには、何度も顔をあわせ、話し合いを重ねることで相互の信頼関係を築くことが何よりも大切であることを学びました。これは、日本国内で起きているさまざまな問題にも当てはまると考えます。私たちの活動は、多くの在日韓国・朝鮮人にも支えられていますが、昨今日本社会では、人種、国籍、思想、性別等に関する憎悪に基づく差別言動である「ヘイトスピーチ」が大きな社会問題になっており、誹謗、中傷、差別の対象がこれまで以上に在日韓国・朝鮮人に向けられていることに強い憤りを覚えます。私たちは、立場の異なる相手であっても敵愾心をあおるのではなく、互いを認め合い、対立を対話へと変えて、粘り強く対話を重ねていくことが真の平和と友好に結びつくと考えます。
 こうした観点から、私たちは、戦後70年の談話が歴史の事実を直視して戦争を二度と起こさないことを内外に表明し、東北アジアをはじめとする地域の平和と安定を希求するものとなることを強く願います。隣国を脅威とみなして敵対するのではなく、対話のための不断の努力を怠らないこと、そして、独善的なナショナリズムやヘイトスピーチに象徴される誹謗、中傷、差別のない社会の実現に向けたメッセージを発信することを希望します。

 これまで東北アジアで平和の実現が難しい要因として、冷戦構造や国家体制の違いなど政治的な理由がよく挙げられますが、私たちは、地域の中で歴史の事実が共有されず、しかも次世代に継承されていないため、同じ過ちを繰り返すのではないかとの危惧や根深い相互不信がその背景にあると考えます。この状況を打破するためには、将来を担う若い世代が国家間の関係にとらわれず、同じ市民の立場で過去の歴史を正しく踏まえながら、隣人として助け合い、お互いへの理解を深めることが何よりも大切であると考えます。そして、将来的にこの地域に住む人たちの間に揺るぎない信頼関係が築かれ、平和な東北アジアを実現するには、政府だけでなく、同じ市民として実践できることを追求していかなければなりません。  私たちの活動は、常に国際的な政治状況の影響を受けながらも、20年余りにわたって、隣国の市民同士の交流や協力を紡いできました。私たちは、この活動で得た経験や思いを多くの人に伝えていき、共有していきたいと考えています。そして、同じ東北アジアに住む仲間として一緒にこの地域に真の平和をつくっていけるよう、これからも市民同士の信頼醸成に結びつく交流・協力活動を続けていきます。
 つきましては、私たちの活動や思いに共感を覚え、ともに歩んでいきたいと感じている皆さまのご賛同を心よりお願いいたします。

KOREAこどもキャンペーン構成団体
 認定NPO法人アーユス仏教国際協力ネットワーク<>br  認定NPO法人地球の木
 認定NPO法人日本国際ボランティアセンター


2012年度

コリア2012

 今年は、主に同キャンペーンとして参加している「南北コリアと日本のともだち展」の活動を通して、日朝関係が厳しいなかでも、日本に住む子ども達の平壌訪問を実施し、顔と顔の見える関係作りに力を入れます。

 ソウルワークショップ(5月17日〜21日)

 12月には大阪展、2月には東京展を開催予定。


2011年度

コリア2011

 「南北コリアと日本のともだち展」の活動として、8月には韓国でのワークショップ、9月には平壌でのワークショップ、2月の東京青山こどもの城での絵画展に参加しました。11月に大阪国際交流センターで開催された大阪展には、アーユス関西が、大阪実行委員会のメンバーとして参加しました。

 今年度の共同制作は、「つなぐ*つながる*ともだち列車」と題して、各地の子ども達が願いとともに画いた列車をつなげて1つの作品にしました。


2010年度

コリア2010

 「南北コリアと日本のともだち展」の活動として、9月の韓国ソウルでのワークショップと、12月に東京の青山こどもの城で開催された絵画展に参加。東京展は10周年記念となり、これまで関わってきた子どもたちも集まり、これまでの歩みをふりかえりつつ今後の展望を話し合う場となりました。