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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

2024年度アーユスNGO新人賞受賞者

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松尾沙織(まつお・さおり)さん 特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会

◆授賞理由
 松尾さんは、医療機関で助産師として勤務した後に、青年海外協力隊員としてザンビアで母子保健に携わり、現在は、シェアが行う母子保健の医療通訳派遣をはじめとする在日外国人支援事業の中心メンバーとして活動しています。
 日本に暮らす全ての人が安心・安全に出産・子育てができる社会の実現を目標に、医療通訳の活用が進み、外国人母子支援がさらに充実したものになることを目指す松尾さんの挑戦は大いに注目されます。今後もシェアが大切にする「現地や地域の人々に寄り添い、主体性を大切にした活動」の中核を担う人材として活躍することを期待して、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆松尾さんからのメッセージ

 この度は、このような名誉な賞をいただき、誠にありがとうございます。
 シェアに入職し、在日外国人の健康支援に携わる中で、言葉の壁、在留資格や健康保険、日本政府の在り方等が人々の健康に大きく影響していることを実感するとともに、日々現場で外国人住民や患者の方と関わり奮闘されている保健医療福祉従事者の方々、つなぎ役として活躍している医療通訳者の方々、日本で子育てを行っている外国人のお母さん達などから、多くの学びをいただいています。今回の賞は、そういった方々と一緒にいただいたものだと思っています。
 今後日本で暮らす外国籍の方が増えてくる中で、いろいろな立場や考えに寄り添いながら、また、活動を通して得られた気づきや現場の声は伝えていきながら、国籍を問わず、日本に暮らす人々の健康が守られ、安心・安全に出産子育てできる社会を目指し、今後も様々な方々と協力しながら活動していきたいと思います。


松川清美(まつかわ・きよみ)さん 特定非営利活動法人開発教育協会

◆授賞理由
 松川さんは、山梨市を拠点に、社会の様々な課題について、共に学び、考え、行動するための場づくりなどに取り組んでこられました。特に、ご自身を含め、子育て中の保護者が社会や政治とつながることに力を注いでいます。開発教育協会では、会報や機関紙の編集などを通して社会課題を分かりやすく発信し、新しい角度から開発課題や開発教育への視座を高めています。
 自分の生活や足元を軸にして、地域の一市民として社会を変える活動を行う松川さんは、NGOの理念や活動が仕事だけでなく、生活をよくしていくライフスタイルの一部として広がる可能性を追い求め、暮らしを軸としたグローバルシティズン(地球市民)のあり方を模索しています。こうした活動がさらに多くの人たちのつながりや共感を生み出していくことを期待して、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆松川さんからのメッセージ
 この度は、アーユスNGO新人賞を賜り、心より感謝申し上げます。
 DEARは、課題を生み出す構造を理解し、行動する市民性を育むことを使命としています。私自身、市民グループでの活動を通して、社会課題の根本的な解決には、学びと行動が不可欠であると痛感してまいりました。
 現在は、会報誌や機関誌の編集、広報を主に担当し、山梨を拠点に活動しております。地域社会との協働を通して、持続可能な社会の実現を地方でも加速させ、開発教育の輪を広げていきたいと考えております。
 「開発」は仏教語で「カイホツ」と読み、内なる可能性を目覚めさせるという意味があると伺いました。DEARの一員として、その力を信じ、社会に貢献してまいります。
 栄誉ある賞を賜り、心より感謝申し上げます。引き続きご支援いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
※松川さんはオンラインでの登壇でした。


吉田明子(よしだ・あきこ)さん 特定非営利活動法人パルシック

◆授賞理由
 吉田さんは、パレスチナ・ガザ地区で羊の畜産や女性たちの乳製品づくりを進めてきましたが、2023年10月7日以降は、極限状態にある中で現地スタッフと綿密に連絡を取り合って、物資配布、仮設トイレや水タンクの設置、現金給付などの緊急支援を続けています。こうした取り組みを行う一方、ガザの人々の生の声を的確かつタイムリーに発信するなど、日本とガザの市民同士をつなぐ役割を担っています。
 自身も常に過酷な状況に置かれていながらも、人びとの苦しみを多角的に理解し、寄り添おうとする姿勢は、多くの人たちの共感を集め、支援の輪が広がっています。吉田さんの活動が、パレスチナの人たちの希望の光となり、やがてはパレスチナに平和と安定が訪れることを願って、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆吉田さんからのメッセージ
 この度はNGO新人賞(奨励賞)をいただき大変嬉しく存じます。しかし、これはわたし個人の賞ではなく、ガザで15カ月間、自らも死の恐怖と隣り合わせのなかで、命がけで緊急支援に尽力してくれたガザスタッフたちに贈りたいです。現在も様々な緊急支援や生計向上支援に奮闘してくれているガザスタッフのサハル、マハムード、アブダッラー、タグリード、休職中のシャディも含めて心から感謝しています。また何よりも、この未曾有の人道危機を必死に生き抜いたガザのすべての人びとには畏敬の念を抱きます。ガザは現在、停戦の第一段階が続いていますが、いつ戦闘が再開してもおかしくない緊迫した状況が続いています。この停戦が続くことを祈りながら、パレスチナチーム一丸となって、できる限りの緊急支援を続けてまいります。
※吉田さんはオンラインでの登壇でした。