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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

2023年度アーユスNGO新人賞受賞者

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左から川村祐子さん(ACE)、小出愛菜さん(we Re:Act)、高橋みづきさん(アクセプト・インターナショナル)


川村祐子(かわむら・ゆうこ)さん 特定非営利活動法人ACE

◆授賞理由
 川村さんは、私たちが日々口にしているチョコレートの陰には、搾取されている人たちがいる現実を変えたいという信念のもと、児童労働のない世界の実現に向けて邁進しています。持ち前の語学力、リサーチ力、分析力を活かした児童労働の現状や課題、国内外のビジネスと人権に関する情報収集や分析を精力的に行っており、企業連携やアドボカシーを戦略的に実践する姿は、児童労働の問題に取り組む多くのNGOから高く評価されています。
 今後もNGOと企業の連携を推進し、ビジネスと人権分野の法整備や、児童労働の撤廃に向けた取り組みを積極的に行うことを期待して、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆川村さんからのメッセージ
 この度は、大変光栄な賞をいただき、ありがとうございます。この賞の受賞は、児童労働の予防・撤廃に向けて活動を25年間続けてきたACEの先輩方や同僚、日頃より協働させていただいている企業、国内外の市民社会組織の皆さまとの活動が評価されていただいたものと思っております。
 ACEに入職し約3年間、カカオ産業における児童労働がなくなるよう、より大きな現地でのコレクティブ・インパクト創出をめざし、ACE内外の方々との連携を通じて活動を続けてまいりました。個社での取り組みを超えて、共通の目標をもつ者が連携すると、1+1=2以上の結果を出せること、社会は変えられるということを、活動を通して様々な場面から学ばせていただいており、またそれが活動を続ける糧になっています。
 課題解決に向けてやるべきことはたくさんありますが、今後も、より一層の努力で活動を進めてまいります。引き続きご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


小出愛菜(こいで・あいな)さん 一般社団法人we Re:Act

◆授賞理由
 小出さんは、高校時代に抱いた気候変動への危機感から、社会の不平等や格差にも目を開き、自ら団体を作って活動を展開しています。これまで気候危機や環境問題に触れてこなかった若者をターゲットとした音楽ライブイベント「Climate Live Japan」は、その趣旨に賛同するアーティストの協力を得ながら、音楽を通して気候危機の実情を知ってもらい、自らがアクションを起こすきっかけを作っていく取り組みとして注目されています。
 気候危機だけでなく、人権やジェンダーなど社会の様々な疑問に声を上げやすい文化を作っていきたいとの思いが、より多くの人を動かし、気候危機に取り組む人たちのネットワークがさらに広がっていくことを期待して、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆小出さんからのメッセージ
 この度は、アーユス新人賞をいただき、ありがとうございます。 
 多くの仲間たちがいて、その人たちがいたからこそ、活動を続けられてたのに、私が賞をいただいてもいいのかと考えたりしていました。
 気候変動を自分ごと化することができれば気候変動を止めることができるのではと考え、Fridays For  Futureの活動を始め、気候変動運動に関わり始めました。そこから今までサポートをしてくださった、応援をしていただいた皆さま、本当にありがとうございます。
 私たち市民、生活者には、力があると信じ、私が知らないところで、私の生活の中で、今までの市民運動があったからこそ享受できていることがあると思います。市民運動や市民活動、NGOの存在がなければ、もっと社会は悪いものになっていたと思います。
 だからこそ、他の社会問題のこと、暮らしなども掛け合わせて、気候変動のことを考え、対話し、実践できる場をこれからつくっていきたいと考えております。
 今回新人賞のきっかけとなったFoE Japanの方々ありがとうございました。
 そして、このような機会をつくっている皆さん、サポートをしてくださっている皆さん、一緒に気候変動を止めるために活動をしている仲間たちにもこの場を借りてお礼をお伝えいたします。


高橋みづき(たかはし・みづき)さん 特定非営利活動法人アクセプト・インターナショナル

◆授賞理由
 高橋さんは、自分が生まれた年に起こったルワンダ大虐殺を知ったときに受けた衝撃と怒りが現在の活動につながっています。テロや紛争に加担した若者たちの脱過激化や社会復帰を支援する活動を行いながら、対話を通して、共存や共生に向けた新たな気づきを生む取り組みを実践しています。それは、一個人として様々な困難に直面する人たちと共に歩もうとする姿でもあります。
 誰しもが平和の担い手となって憎しみの連鎖をほどき、テロや紛争がない社会を実現させる取り組みがさらに広がることを期待して、アーユスNGO新人賞を授与します。

◆高橋さんからのメッセージ
 この度はNGO新人賞という栄えある受賞に授かり、これまで当法人の活動を支えてくださった皆様に改めて感謝申し上げます。 

 私たちは、ソマリアなど熾烈な紛争地で、いわゆるテロリストなど暴力に関与した若者を受け入れ、彼らが武器を置き社会に戻ることや地域社会との和解を促すことで、テロ・紛争など世界で深刻化する憎しみの連鎖を根本からほどいていく活動を行なってきました。
 私自身、武力紛争の解決を志し強い問題意識や使命感のもと積み重ねてきた取り組みや姿勢を、これからも活動を共にする皆様と共有しながら貫いて参ります。憎しみの連鎖をほどいていくには多くの問題がありますが、今回の受賞を励みにこれからも尽力して参ります。