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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

2022年度アーユスNGO大賞(茂田賞)受賞者

筒井由紀子さん

◆授賞理由

 1990年代に朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)で発生した深刻な食糧危機への緊急人道支援に参加したことをきっかけに、混迷を極める政治情勢の影響を受けながらも、東北アジア地域における市民交流を絶やすことなく行ってきました。特に国交がない朝鮮との交流・協力事業の推進は、他に類を見ない先駆的な取り組みとして注目されています。筒井さんは、日本・朝鮮・韓国・中国の子どもたちの絵画交流を行う「南北コリアと日本のともだち展」を、他のNGOで事務局長を担う傍ら、20年以上にわたり主導してきました。また、そうした活動で培われてきた在日コリアンコミュニティをはじめとする国内外の様々なネットワークは、市民交流による平和構築の可能性を私たちに具体的に示してくれています。幾多の困難を乗り越えながら、不屈の精神で市民交流に取り組んできた筒井さんの活動に深く敬意を表し、ここにNGO大賞(茂田賞)を授与します。


◆筒井さんからのメッセージ

1990年代後半、植民地支配という負の歴史を持つ日本からの人道支援ということで、現地での活動はマイナスからのスタートでした。また朝鮮民主主義人民共和国の人たちにとって「NGO」は未知の存在でもあり、人道支援を始めた熊岡さん(当時JVC)たちがNGO(非政府組織)という立場で活動するという道筋をつけてくれなかったなら、かの国でいまのような活動はできていなかったでしょう。隣国でありながらほとんど出会うことのない日本と北朝鮮の人々。しかしそこには私たちと同じように、泣き笑い、懸命に日々を生きる人々がいる。人道支援の現場から、そんな人たちのことをなんとか伝えたいと子どもたちの絵を通した交流の事業も始め、南北コリア、在日コリアン、延吉(中国)、そして日本で多くの人たちの協力を得ながら、そこに暮らす人々をつないできました。市民と市民の出会いと交流が平和を作る第一歩となります。私たちが暮らす東アジアに平和な未来をもたらすためにはこの一歩が必要です。東アジア情勢はいま、不安な状況に陥っています。そんな中での今回の受賞は、私たちだけでなく、東アジアの平和を願う人たちすべてにとっても大きく勇気づけられるものです。20数年この活動を続けるにあたって、私一人でできたことは何一つありません。この活動を始めた時から一緒に活動した南北コリア、在日コリアン、一緒に活動したすべての人々の一員、その代表として、皆さんとともに受賞させていただきたいと思います。心から感謝を申し上げます。