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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

アーユス賞特別功労賞(2016年度) 岸野亮淳さん

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◆授賞理由

 アーユスの創設時から重要なメンバーとして関わってくださっている岸野さんは、アーユスの精神的支柱であり、特に関西地区では大きな存在感を持って私たちを導いてくださっています。
 岸野さんは、今年の新年の挨拶で、経済を優先しいのちがおろそかに考えられている世の中を憂い、世界の人々が改めて「いのちの不思議に目覚める」ことを願っていらっしゃいます。それは、自分以外のあらゆるいのちを頂いて、いまここに在ることに気づくことです。以前、地元京都で超大型ゴミ焼却場の建設反対運動に関わられた時は、ゴミを焼却する前に少なくしようという活動を広めるなど、ただ反対するだけではなく地域で環境を守るよう進められました。それは、ひとりひとりが他の命や環境と繋がっていることに気づく一歩だったのではないでしょうか。 
 最近では、東日本大震災やネパール大地震の被災者のための救援義捐金を集める、また地元の仏教者と共に立ち上げた「さんが・いちはらの」というグループで、環境・原発・人権に対してのメッセージを出し続けています。 
 仏教者として生きることは、即ち社会に関わることであることを、まさに体現されているのが岸野さんです。これまでの功績をあげるだけでは、岸野さんの存在感は語り尽くせません。お茶目で、ユーモアに溢れ、どんな人であっても受け入れてくれる度量の深さを感じると同時に、目の奥に秘めた厳しさと鋭さが、わたしたちを常に前に進めてくださってきました。仏教NGOとして崩してはならない軸を常に示してくださっています。岸野さんのような方と共に活動できるのは、私たちにとってのかけがえのない喜びであり、支えです。理事会及び事務局の総意として、満場一致で本賞の授与が決まりました。


◆岸野さんからのメッセージ

16award_kishino2 20世紀の後半、日本はがむしゃらな高度経済成長に絞って国家を経営し、その結果「思いやり、思いやられる心」つまり「慈悲の心」が薄らいでしまいました。そんななか、1993年、仏教の真の「慈悲」のこころの実践を標榜してアーユスが立ち上がりました。そのときに声かけをしてもらって私も参加いたしましした。
 アーユスは「お坊さんだって世界にお布施」「NGОを応援するNGО」というコンセプトで、どれだけ伝統仏教教団のお坊さんが社会参加しやすくなったか、その功績はすばらしいものがあります。私はなにもアーユスの活動に対し、これということはしていませんが、私が仏教者として今ここに在るのはアーユスのおかげ、と思っております。
 そもそもアーユスとは「いのち」というサンスクリット語です。「いのち」は「あるもの」ではなく「いただいたもの」と領解したとき、私の「いのち」は自分以外の「いのち」と共存し始めます。相手を思う「慈悲」のこころはここが出発点だと思います。
 アーユス、なんとすばらしい響きでしょう。このアーユス運動がますます広がることを念じて、特別功労賞を頂戴いたしましたお礼の言葉とさせて頂きます。