アーユスについて
日頃、アーユス仏教国際協力ネットワークへさまざまなご協力を賜りますこと、深く御礼申し上げます。
茂田真澄初代理事長の後を受けてアーユスの理事長となりました、松本智量と申します。
アーユスには発足の日から参画し、理事、事務局長、副理事長を経てここまで関わり続けてまいりました。
私が国際協力に関わるようになったきっかけは、湾岸戦争にあります。それ以前にも仏教者として差別や平和の問題に市民運動の方々と共に取り組んでおりましたが、湾岸戦争時に大きな議論となった自衛隊派遣問題の中で、第一に心を寄せるべき対象を見極め、持てる力を最も有効に発揮していた国際協力NGOの姿に感銘を受けたのです。その中には、仏教者の姿もありました。先行している方々の働きに学びながら、国内外の課題への自分なりのアプローチとして、アーユスで活動を重ねてきたものです。
アーユスは発足から二十七年になります。その間、国際情勢も国内環境も大きな変化がありました。国家間や国家内のさまざまな場面で分断が進行しました。気候変動によると思われる自然災害が毎年のように起こります。一方で、SDGsに仏教教団や企業が取り組みを始めてもいます。それらに伴い、アーユスの使命をあらためて確認し、茂田初代理事長が生涯を通して希求した衆生救済の現代的展開に取り組んでいく必要を強く感じております。
アーユスは国際協力NGO団体の規模としては決して大きくはありません。しかし集っている会員や関係する団体の思いと願いから紡がれた諸活動は特筆すべき存在感を持っていると確信をしております。今後も陽のあたらないところに届く街の灯として尽力してまいります。なにとぞアーユスにより一層のご支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
2019年12月
アーユス仏教国際協力ネットワーク理事長 松本智量