活動内容
この事業は2017年度を持って一旦終了となりました。
プロジェクト/プログラム評価、もしくは組織評価を実施するNGOに対し、そのために必要な資金の半額(上限50万円)の資金援助を行います。
事業の背景と目的
評価というと、成績をつけられるようで嫌なイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれません。NGOの中にも、以前はそういう団体が少なからずいたと思われます。しかし、よりよい活動や組織運営をおこなっていくためには、それまでを振り返り、強みと弱点(課題)の両方を客観的に把握することが必要です。NGOの間でも評価を実施することは当たり前になりつつありますが、プロジェクト実施の予算があっても、評価のための予算がない場合があります。また特に専門家の知識が必要な場合や、外部評価者の参加を得て評価を実施するには、さらなる費用が必要となります。
アーユスは この評価支援を通じて、一般市民からの会費や寄付でまかなわれているNGOのプロジェクト/プログラムの質的な向上を図られ、NGOが組織的に強化されることが期待します。さらに、こうした評価の結果が公表されることで、同じような課題を抱える他のNGOにも共有され、評価を行うことの意義や必要性、その手法について理解が広がるものと考えます。
「評価支援」への応募に関する詳細や選考基準に関しては、こちらのページをご参照ください。
2016年度
シャンティ国際ボランティア会
「ネパール中部地震被災地緊急救援事業」評価
開発事業については、中間評価、終了時評価の実施が事業運営サイクルに位置づけられていますが、海外での緊急救援事業の評価については発展途上でした。今後の教訓を得るためにも実施することが望ましいという考えから、ネパール中部地震緊急救援事業評価を行い、今後の緊急救援活動における事業の質の向上を目指しました。
緊急救援には、世界的に共有されているSphere Stanadards と Core Humanitarian Standard という2つのガイドライン、また教育分野に特化したガイドライン INEE Minimum Standards for Education があるため、それらに出ている指標等を基本に評価を行いました。
2015年度
アジア砒素ネットワーク
バングラデシュ国非感染症疾患リスク低減事業終了時評価
事業開始後1年5ヶ月目に中間評価を実施し、この事業がバングラデシュ国の非感染症対策のグッドプラクティスを生み出す方向に動いているかを検証し、同時にスタッフ自身が評価手法を学び質的変化を生み出すために相応しい介入方法を考える能力向上を図りました。前者に関しては、住民グループが提案・実施している健康診断キャンペーンがグッドプラクティスになり得ると判断し、その促進要因を探ると同時にその後の持続性を担保するための議論を行うに至りました。後者については、一部はできるようになりましたが、もっと理解と技術を深めたいという要望が出されています。
この終了時評価では、DAC5項目を活用した事業の成果や持続発展性の検討をするかたわら、組織強化につながるよう、事業から得られた成果や教訓を今後最大限に活かせるよう協議・検討することが目的です。
※尚、この事業はバングラデシュ国内で2015年10月に発生した外国人射殺事件の影響で治安状況が急速に悪化したことを受けて、「アジア砒素ネットワーク」は日本人のフィールドでの活動を当面控えるとの方針を決定しました。こうしたことによって、申請内容に記されていた日本人の評価専門家の派遣を断念せざるを得ない状況となり、2016年3月に支援金が返還されました。
支援金の返還に際して、「アジア砒素ネットワーク」からは当初計画していた評価活動の内容と実施計画、さらに現地の治安悪化を受けた措置と支援金を返還する到った経緯について詳細な報告が網羅された「資金返還の理由書」が提出され、担当者からも口頭で説明がありました。
2014年度
JHP・学校をつくる会
「カンボジア王国2州(カンポット州、スヴァイリエン州)における初等教育美術教育プロジェクト」
1993年から学校建設を始め、1996年からは音楽教育及び美術教育支援事業も展開。当初は、教員トレーニングや画材の寄贈などを実施していましたが、プロジェクトの規模や予算が大きくなるにつれ、気持だけでは運営するのが難しくなってきました。そのために2010年度に教育支援事業全体について参加型評価を行ったところ、日本人職員およびカンボジア職員も共に事業全体の流れや団体内の課題なども確認することができました。その後は、カンボジア事務所スタッフが主体となって、事業立案や実施や事業のマネジメントを行っています。
この評価事業では、2012年度に具体的な目標を立てて実施した本プロジェクトが終了するにあたり、プロジェクトの成果や課題を今後の事業活動に活かせるよう関係者間で共有することが目的です。同時にスタッフの事業評価の能力向上もねらいました。
2013年度
ラオスのこども
「ラオスにおける子どもセンタープロジェクト評価」
ラオスのこどもは、日本の児童館に相当する「子どもセンター」を運営し、ラオスの小中学校でほとんど行われていない読書、美術、音楽、演劇、伝統芸能などの活動の機会を提供する支援をしています。1994年に1館目が創設されて以来、社会の大きな変化の中で子どもたちや学校にどんな影響をもたらし、役割を果たしてきたのかを調査し、支援のありかたを検討するため、評価活動を行いました。
2012年度
ACE
「持続可能なカカオ農園と教育を通じた児童労働撤廃プロジェクト」
ACEがガーナのカカオ生産地での児童労働撤廃に取り組む最初のパイロットプロジェクトの終了時評価としての位置づけ。プロジェクトの目標や成果の達成状況、活動プロセスを評価することで、教訓を引き出し、今後他地域へプロジェクトを拡大していく際の事業改善や成果達成の最大化につなげます。
これまで支援した団体とプロジェクト一覧はこちらのページをご参照ください。