アーユスセミナー
ミャンマーで国軍によるクーデターが起きてから、2年が経とうしています。ミャンマーの人びとは、国軍の支配に対し粘り強い抵抗運動を続けていますが、国軍は暴力で人びとを押さえ込もうとしています。2022年11月24日時点で、子どもを含む2,533人の市民が国軍によって殺され、12,986人もの人が拘束されています。
このミャンマーの状況が少しでも改善するよう、日本から努力を続けている市民グループがあります。国軍の攻撃によって避難民となってミャンマー国内外に逃れている人への緊急支援活動や、実は国軍を利するものもある日本のビジネスを止める活動。また、クーデターの影響を受けている人たちの声や思いを受け止め、平和を祈り行動する宗教者の動きもあります。実は国軍の暴力は、長年続いており、近年では国中に張り巡らせたビジネス網からの収入によって、その力を強めてきました。このような国軍と日本は、無関係ではありませんでした。
この連続企画では、クーデターから2年となる2月1日に向けて、日本の市民の取り組みを紹介します。また平和と民主主義を求めるミャンマー人の声を聞き、そしてこれまで犠牲になった方を追悼して平和を願う思いをミャンマーに届ける祈りの集会を開催します。関心が下がりつつあるミャンマーに今一度光を当て、諦めずに活動を続ける人びとの繋がりを通して、未来への希望の灯りを見出す時間です。みなさまの参加をお待ちしています。
要請文:ミャンマー・クーデターから2年。市民が共同声明の提出へ 「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」
日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し「暴力の即時停止」、「拘束された関係者の解放」、「民主的な政治体制の早期回復」を求めていると繰り返し述べていますが、この2年間、日本政府の呼びかけは何ら効果を上げていません。それどころか、二国間の約束に基づくはずの政府開発援助(ODA)は継続され、内閣官房内閣審議官がミャンマー国軍が設置した国家統治評議会(SAC)の高官と面会するなど、日本政府の対ミャンマー政策は言行不一致な状態です。
今回の共同声明では、こうした日本政府の政策における矛盾を四つの視点から整理して改善を要請します。市民や市民団体から広く賛同を集め、2月1日に日本政府に提出する予定です。
■2月の予定
#ミャンマー国軍の資金源を断て クーデターから2年 官邸前アクション
日時 2023年2月1日 18:30より
会場 首相官邸前
【終了】第1回:「少数民族居住地域での支援活動から学ぶ」
*アーユス『街の灯』セミナーとの共催です。
日本ビルマ救援センター(BRC-J)は主にカヤー州やカイン洲などミャンマーの東部地域の少数民族居住地域の支援活動を展開し、一方、ジュマ・ネットは西部のチン州からインドのミゾラム州に逃れている避難民の支援を実施しています。現地訪問の報告を踏まえて現地の状況や支援活動について聞きます。
■日 時■ 12月8日(木) 19:30〜21:00
■プログラム■
○現地報告
「インド・ミゾラム州でのミャンマー避難民の状況と支援活動」 稲川望さん(ジュマ・ネット)
「ビルマ国内避難民を救え 〜タイ国境からの支援活動〜」 中尾恵子さん(日本ビルマ救援センター)
【終了】第2回:「ミャンマー:日本からの国軍支援を止める。市民からのアクション」
日本政府や企業は、様々な形で国軍を支えてきています。その現状と、日本からの支援を止めるために市民が取り組んできたことについて報告します。
■日 時■ 12月20日(火) 19:30〜21:00
■プログラム■
○現地報告
「防衛協力を止めた市民の動き」
杉原浩司さん(武器取引反対ネットワークNAJAT)
「#ミャンマー国軍の資金源を断てキャンペーンで獲得できたこと、残る課題」
木口由香さん(メコン・ウォッチ)
■主 催■ #ミャンマー国軍の資金源を断てキャンペーン
【終了】第3回:「平和と民主主義を求める思い。国際情勢の中でのミャンマー」
ミャンマーでは、不当な軍事クーデターにより、民主化を求める人々の夢は奪われ、弾圧、虐殺の暴力が続いています。また、国軍の武器や資金をもたらしている各国の思惑に振り回され、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする国際情勢との関係性も無視できません。
そのような視点から、以前はミャンマーで環境や人権に関わる活動に取り組み、現在はオランダの大学で博士課程にいるサムサイカムさんに、ミャンマー人として民主主義と平和を求める思いと国際社会に対してのメッセージををうかがいます。
■日 時■ 1月17日(火)19:30〜21:00
■スピーカー■
サイサムカムさん(INEB理事・International Institute of Social Studies 博士課程)
*同時通訳付き
【終了】第4回:日本からミャンマーに祈りを届ける集会
クーデターから2周年を前に、ミャンマーの状況が少しでも好転するよう、祈り、声をあげ、行動してきた宗教者や市民グループなどが各地に参集しオンラインでつながり、ミャンマーの平和を願う祈りを届ける集会を開催します。
第一部では、ミャンマーで起きている暴力の停止を求め様々な活動を行う市民グループからの報告、第二部では内外のミャンマー人やミャンマーのために行動する日本人のメッセージを紹介すると共に、日本各地に参集する宗教者の祈りをオンラインで繋ぎます。会の中では、30年近くミャンマーを追い続けるフォトジャーナリスト宇田有三さんの写真を紹介し、現地の人々に想いを馳せる時間も持ちます。
■日 時■ 1月28日(土) 14:00〜16:30
■会 場■ 光源寺(東京都文京区向丘2丁目38−22)+オンライン
オンライン参加をお申し込みの方には、追ってURLをお送りします。
■プログラム■
・フォトジャーナリスト「宇田有三」さんによる写真のスライドショー
・報告(キンオンマーさん/プログレッシブボイス、木口由香/メコン・ウォッチ、中尾恵子さん/日本ビルマ救援センター、ミンスイさん)
・祈りのリレー
・共同声明「クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を」の報告と呼びかけ
■共 催■
ミャンマー平和と祈りのネットワーク/#ミャンマー国軍の資金源を断てキャンペーン