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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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その他の地域

その他の地域2019/12/11

台風19号被災地視察:福島県いわき市に行ってきました


 台風19号が日本列島を直撃してから、1ヶ月以上が経ちます。この間、アーユスは多くの方からご寄付をお寄せいただき、「シャプラニール=市民による海外協力の会」と「パレスチナ子どものキャンペーン」による福島県いわき市へのボランティア派遣と「有明支縁会」による福島県や栃木県での物資配布や長野市へのボランティア派遣などにご協力をさせていただきました。ありがとうございます。

 また、11月28日には、パレスチナ子どものキャンペーンの田中事務局長と、スタッフの田中(佑)さんとボランティアの学生さんの4人で、いわき市の状況を見てきました。田中佑樹さんとボランティアさんは、既にいわき市で数日間のボランティア作業をされた後での合流でした。

積み上げられたゴミの山

積み上げられたゴミの山

 いわき市で床上浸水の被害を受けた家屋は、9000世帯を超えます。市内を流れる、夏井川や好間川が氾濫し、広範囲に局所的に大きな被害を出しました。ボランティア作業に参加されたお二人によると、まだ家の中からのゴミ出しが終わっていない家庭もあるとのことでしたが、実際に被害が出た地域を車で走りながら状況をみていても、ゴミの山が家やアパートの前に積まれたままである場所を散見したものです。

ボランティアさんたちにより剥がされた床

ボランティアさんたちにより剥がされた床

 既にゴミ出しや床板はぎが終わった家屋は乾燥させるために、窓や縁側の戸を開放しています。壁の中まで湿気が及び、カビの侵食で壁を壊さないといけないところもあると聞きました。床下だけでなく、家全体を乾燥させるのは大変なこと。このような家では2階でとりあえず暮らしていらっしゃる方が多く見受けられましたが、冬を迎えるこの時期は特に寒く、そして不安なことだと思います。

 避難所は4箇所あり、そのうちのひとつ「内郷公民館」も訪ねました。ピースボート災害支援センターといわき市災害ボランティアセンターが共に運営を行っていました。12月初旬までは災害支援団Gorillaが炊き出しを行うとのことでしたが、その後は特に予定が入っていないとか。

 炊き出しは、避難所だけでなく、在宅避難者向けにも行われています。地域によっては全域が床上浸水したところもあり、前述の通り2階だけで暮らしている方も多くいます。しかし車を失う。家電製品が使えなくなったなど、普段の暮らしもままならない状況の方は少なくありません。そのような方々向けへの炊き出しなども、定期的に実施されています。

平屋の市営住宅。今は住める状況ではない。

平屋の市営住宅。今は住める状況ではない。

 しかし、全体にボランティアは多くなく、支援物資も十分に行き渡っていない印象です。 9000件以上の家屋が床上浸水の被害に遭っていても、ボランティアなどの相談は1000件程度とか。まだ隠れたニーズが多くあるだろうという話も聞きました。

 水害被害の場合、床をはぐなど素人には難しい作業も多く求められます。しかし、まだできることは多く残されています。本腰を入れて支援活動に取り組む体制がないため、どうしても片手間の協力しかできないのがもどかしいのですが、炊き出しなどを含め、できることを検討し、実施団体への協力、ボランティア派遣、または関心のあるグループに働きかけていきたいと思います。

唯一みた「頑張ろう」ののぼり

唯一みた「頑張ろう」ののぼり

 水害は、局所的に被害を及ぼすせいか、町全体を見渡すと被災した地域には見えません。「がんばれ」ののぼりも、私が見たのは1箇所でした。東京に戻ってから、いわき市の様子を話すと、「知らなかった」「報道されないと知らないものだね」という反応の多いこと。私たちが自然災害慣れしているのか、絵になる写真が撮れないと報道されないのか、報道されてもすぐに話題が次に移って忘れてしまうのか、理由は定かではありませんが、被災された人たちがまだまだ多くいて、支援が十分に行き届いていない現実があることを、もっと多くの方に知ってもらいたいです。(M)