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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

第8回アーユスNGO大賞(茂田賞)2021年度受賞者

下澤嶽さん

授賞式笑って話すIMG_1942 のコピー

◆授賞理由

 「シャプラニール=市民による海外協力の会」や「国際協力NGOセンター(JANIC)」など、NGOでの豊富な活動経験を有する下澤さんは、長年にわたって、海外の現場で現地の人たちと交流しながら様々な協力を実践してきました。日本国内でも、NGOの運営改善、能力強化、ネットワーキング、NGOへの理解を広める活動に取り組んできました。 2003年には、「ジュマ・ネット」を立ち上げ、バングラデシュの中でもマイノリティであるが故に置き去りにされてきた先住民族の人権問題に光を当て、平和構築の取り組みを実践するなど、多くの人がこうした問題や分野に目を向けるきっかけをつくりました。 現在は静岡県内の大学で教鞭を執る傍ら、「ジュマ・ネット」の活動を学生など若い世代と共に展開し、広げています。 こうしたNGO活動者として真摯に取り組む姿が共感と支持を集め、その影響を受けてNGO活動に関わる教え子を数多く輩出するなど、NGO界全体の底上げにも大きな役割を果たしてきました。こうした実績は、NGO界にとって高く評価されるものであり、NGOの将来を担う人材の育成に、今後もより一層努めていただくことを期待して、NGO大賞(茂田賞)を授与します。


◆下澤さんからのメッセージ
 ジュマ・ネットは、バングラデシュのチッタゴン丘陵のマイノリティの政治権利の回復という、不可能と思えるテーマに取り組んできました。今はインド、ミャンマーにも活動を広げています。この20年間は決して楽ではなく、資金的にもくるしい時間が続いていました。そんな中、受賞のニュースを聞いた時、「ちゃんと見ていてくれたんだ」という安堵感が正直広がりました。そしてジワジワと「間違っていなかったのかもしれない」「続けよう」という活力が体から湧いてきたのを覚えています。国家は民族意識という曖昧なものによって成立し、発展してきました。しかし、それは強い排他性を持つものでした。これからは民族意識に依存して自分の安全を確保する時代から、もっと広い視野の上に成立する社会をつくる必要を強く感じています。民族の違いを社会の力にできる社会とは何か、そして共に生きるグローバル社会のために何ができるか、そして環境にも負荷をかけないライフスタイルを見なす事業も展開していきます。これまでご支援、ご助言くださった皆さんに感謝をお伝えしたいと思います。そしてこれからもよろしくお願いします。