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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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アーユス賞

第3回アーユスNGO大賞受賞者 渡辺英俊さん

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◆授賞理由

  1961年より日本キリスト教団の牧師として教会活動に従事する傍ら、1970年代から在日朝鮮人・韓国人をめぐる問題にいち早く取り組み始め、1987年には横浜市寿町で外国人の労働・生活相談や日本語学習を支援する「カラバオの会(寿・外国人出稼ぎ労働者と連帯する会)」を結成されました。さらに、1997年には「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」の設立に伴い共同代表として、移住労働者の権利を守る様々な取り組みを展開するなど、日本における移住労働者支援の先駆者として、現在に至るまで精力的な活動を行っています。
 こうした長年にわたる渡辺さんの地道な活動によって、これまで数多くの移住労働者の権利が守られることとなり、現在では、安心して暮らせる多民族・多文化共生社会の実現に向けた取り組みが日本全国で行われるようになっています。
 また、渡辺さんの誠実なお人柄は多くの人から敬愛され、移住労働者の支援活動に献身的に取り組む姿勢は、多くのNGO・NPO関係者にとってよき模範となっています。さらに、その存在は宗教の枠を超えて私たちアーユスに関わる仏教者にも深い感銘と共感をもたらしています。
 ここに、渡辺さんのこれまでの活動に深く敬意を表すると共に、今後も末永く後進の育成に尽力されることを期待して、本賞を授与いたします。


◆渡辺さんからのメッセージ

15award_watanabe2 アーユスNGO大賞を授与していただきまして、ありがとうございました。私どもの働きは、日本社会でも最も弱い立場に置かれた外国籍住民の相談活動という、いわば片隅での働きなので、これに目を留めていただけたことは、まことに大きな励ましで、アーユスの皆様に篤く感謝申し上げる次第です。
 私の名前で賞をいただきましたが、これまで歩みを共にしてくださった多くの方々を代表して私がいただいたものと受け止めています。とりわけ、昨年NPO法人格を取得するところまで進んできた「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」、また私自身の地元で日夜苦楽を共にしている「カラバオの会」、同信の同志である「難民・移住労働者問題キリスト教連絡会(難キ連)」、そして私の本業である牧師の働きを支えてくださった日本キリスト教団なか伝道所など、そこに繋がる仲間たちと今日の喜びを分かち合いたいと願っています。
 私は、この30年近い年月、横浜の寄せ場「寿町」を基盤に活動してきました。日本社会の問題が凝縮しているこの場所で、海外から働きにきて苦しんでいる人びとの問題に出会い、その救援からカラバオの会が始まりました。全国に拡がった運動が繋がり合って現在の移住連にまで発展してきた、その渦中に巻き込まれて夢中で走っている間に30年がたってしまったという感じで、今も走り続けています。
 最後に、私事ですが私自身宗教者であり、仏教を背景にしたアーユスから賞をいただいたことに特別の感慨を持っています。それぞれの宗教の良質の部分が、このような形で宗派を越えて出会えることは、特別にありがたく意味深いことと感じています。重ねてありがとうございました。