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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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福島/脱原発/東日本

福島/脱原発/東日本2013/10/21

福島の農家さんの言葉


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原発被災地からの声

 アーユスは福島県伊達市にある野菜の直売所、「つきだて交流館もりもり」に食品の放射線測定器を支援しました。その後は、直売所との交流を続け、時には農家さんの訪問などもしています。

 「もりもり」」は、原発事故のあと、どのように直売所を運営していくのかかなり悩みました。その苦悩のなか、放射線測定器を導入し、販売するものの放射線測定をおこなうことで、農家さんと消費者の間の信頼関係を確立しようと決めたのです。今では、持ち込まれる全ての野菜を測定してから、店頭に並べています。

 アーユスの会員寺院さんの中には、「もりもり」からお野菜を取り寄せて、お寺の法要などに併せて販売会を行って下さるところがあります。つい先日もお、松戸市の天真寺さんの彼岸法要において販売会を開催いたしました。またその時に、協力してくださっていることへの感謝の気持ちを伝えたいと、「もりもり」より千葉さんがわざわざ福島からお越しくださいました。ここに、その時の千葉さんからのメッセージをみなさまにもお届けします。


「つきだて交流館もりもり」千葉英行さんからのメッセージ

farmers2 福島県北部の伊達市の月舘町に、つきだて花工房という施設があります。そこに40名ほどの会員さんがいる小さな野菜の直売所がございます。山1つ越えると、いまだ計画的避難区域指定の飯舘村がある場所。原発からは50キロ離れています。

 震災後、まだ何も解決しておりません。福島県の中ではいろいろなことが起きています。汚染水の問題が今注目されていますが、それだけではなく何も収束していません。

 その中、アーユス仏教国際協力ネットワークから放射能測定器を頂戴して、私たちのような小さな直売所でも自主検査をすることができるようになりました。それは農家さんにとっても光明が見えて、希望をいただいた大事な支援でした。そのあとも天真寺さまにおいては、私どもの直売所の野菜を取り寄せて販売をしてくさるというご支援をいただいています。お礼に伺わないといけないと思いつつ、今日になってしまいました。みなさまの大事な時間を頂戴してしまいましたが、ここでお礼を申しあげたいと思います。

 私たちの地域にはお年寄りが多くて、震災後、孫たちはお母さんと一緒に避難している家庭もあります。同居していても家庭内の食卓は別になっております。お父さん、あるいは若夫婦の旦那さんだけが残って仕事を続け、日曜日には子どもに会いにいくという状況がまだ続いております。私たちはこのような決してよろしくない環境にいますが、その中でも残っている子ども達はいるので、どうやって生活をしなくてはいけないかを考えないといけません。

 子ども達や孫たちがみんなの希望なんです。子ども達を守りたい、孫たちを守りたい気持ちは農家でも一緒です。そのためにも、自分たちが作ったものは大丈夫なのか。私どもも販売前にはまず測定器で測定し、情報を公開しております。希望がないと生きていけません。

 一番ありがたいのは、ずっとずっと寄り添ってご支援をいただいていること、それからいろんな人たちとつながっていくことです。一緒に寄り添って歩いてくださることが増えることは、私たちがあの地で頑張っていくことのエネルギーになります。みなさまと震災後つながっていくことで、教えられたこと、励まされたこと、多くの方とつながってこられたことが、震災後の一番の宝です。

 長い間ご支援いただいたこと、感謝しております。お礼を伝えるのが今日になってしまったこと、申し訳なく、またありがたく思っております。本当に、本当に、みなさまに感謝とこれからも福島をぜひ見続けていただきたいとお願いしたいと思います。福島で何がおきているのか、できれば福島にいらしていただいて、良いことも悪いこともご自身の目で確かめていただければいいかなと思います。

 日本には原発がいっぱいあります。福島でおきたことは原発がある別の処でも起きうることです。そして事故を起こしてしまった原発は、人間にはコントロールできないことがわかってしまいました。世界の優秀な科学者たちの知識経験を全部集めても、収束させるには大変な事故です。1日も早く、子どもたちに安全な環境を残してあげたい。私にできるのはほんの些細なことですが、1センチでも1ミリでも前に進めるように頑張れという支援をいただきましたので、これからも頑張っていきたいと思います。ぜひ福島にいらっしゃる機会があればお立ち寄りください。