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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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その他の地域2013/12/12

砒素鉱害の歴史と向き合い、自然エネルギーの可能性を探る①


 2013年12月4日から6日まで九州中部をスタディツアーで回りました。今回のツアーでは、2012年度からアーユスが支援している「アジア砒素ネットワーク」(本部:宮崎市)の活動の原点となった、宮崎県高千穂町の土呂久地区を訪問し、砒素鉱害との闘いの歴史や損害賠償を求める市民の運動などを通して、市民活動の意義や世界と日本のつながりを改めて見つめ直すことを目的としていました。さらに、九州で積極的に取り組まれている自然エネルギーの現場を訪問して、今後の自然エネルギーの可能性や地域社会のあり方を考える機会にもなりました。

 まず降り立った熊本では、グランメッセ熊本という立派な産業展示場の施設内に設置されている太陽光発電設備を見学しました。この展示場は、日本有数の規模を誇り、年間100のイベントで約100万人の来場があって、県の外郭団体である株式会社が管理運営を行っているそうです。熊本県が掲げるソーラー産業振興計画に基づき、太陽光発電の普及・啓発の一環として、2009年に県内の誘致企業であるホンダソルテックの協力を得て72枚の太陽光パネルを独自に設置したとのことでした。合わせて3.8キロワットの電気を作り出していますが、この電気量は展示場で使われる電気使用量の1300分の4に過ぎないとのこと。あくまでも啓発が目的であって、採算は度外視して行っているようです。展示場では、螺旋状に形状が変えられるものや日除けシャッターの代用として使えそうなものも展示されていて、将来的に様々な用途で使える技術はあることが分かりました。あとはコストをどこまで下げられて実用化できるかが鍵になっているようです。

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 続いて訪問したのは、熊本市内のフェアトレードショップ。熊本市は、アジアで初めて、世界で1000番目にフェアトレードシティとして認定され、ある調査によると、フェアトレードに関する認知度は東京や名古屋の次ぐらいに高いそうです。熊本でのフェアトレード運動の中心的な存在である明石祥子さんから、市民のささやかな運動として始まったフェアトレードがいかに行政を巻き込んで広がり、フェアトレードシティに至るまで広がっていったのかという苦労話などをお聞きしました。さらに、熊本市国際交流振興事業団事務局長の八木浩光さんも加わって、昼食を取りながら、熊本でフェアトレードが盛んになった経緯や国際交流の現状などについて伺いました。熊本城に隣接した立地条件のいい熊本市国際交流会館の1階に学生中心で運営するフェアトレードショップ&カフェがあって、通りがかりの人も何だろうと思わず寄って見てしまいそうな可愛らしいお店がありました。他にも市内でフェアトレード商品を扱う店も多いそうで、「フェアトレードシティくまもと市」の看板を掲げる、今話題の「くまもん」のシールまで作られていました。来年3月下旬には国際交流会館を会場に、海外ゲストを招聘した大規模なフェアトレードイベントが開催される予定で、日本の地方におけるフェアトレードの発信地として熊本の動きから目が離せません。CIMG9280 のコピーCIMG9287 のコピー

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