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平和人権/アジア

平和人権/アジア2016/11/15

朝鮮民主主義人民共和国への人道支援をおこなうにあたっての立場表明


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朝鮮民主主義人民共和国における水害への人道支援をおこなうにあたっての立場表明(2016年11月)

 2016年8月末から9月はじめにかけて、朝鮮民主主義人民共和国の北東部に台風が来襲したことで観測史上最大の大水が発生し、中朝国境を流れる豆満江が氾濫、河畔地域が深刻な被害を受けました。被災した地域は冬の寒さが厳しく、目前に迫った冬の到来でさらなる人道的な危機が起こることが懸念されています。

 9月9日、朝鮮民主主義人民共和国のメディアは「北部の核実験場で新たに研究、制作した核弾頭の威力判定のための核爆発実験を断行した」と報じました。また度重なるミサイル発射実験を繰り返し、8月24日の実験に際しては、これまでのような人工衛星の打ち上げではなく、軍事開発の一環であることを鮮明にしました。一方で、年々規模を増している米韓軍事合同演習やミサイル防衛システムの配備は、同国に対する大きな圧力となり、この地域の軍備拡張と緊張の高まりに拍車をかけています。

 私たちはKOREAこどもキャンペーンを通じて、朝鮮民主主義人民共和国の子どもたちへの人道支援と日朝両国の友好親善、東北アジア地域の平和構築に取り組んできた立場から、相互に緊張と不安、不信感を高めあい、核廃絶に逆行するような行為に強く反対します。
 また、関係各国が朝鮮半島ならびに東北アジア地域の平和実現に向けた積極的な関与の姿勢をとって対話と取り組みを強化し、この地域に根深く残る冷戦構造の解消に努めることを求めます。
 そしてこのような情勢下であっても、水害を受けた人びとに対する人道支援には、政治とは切り離して取り組むべきであると考えます。国連人権理事会のトマス・オヘア・キンタナ特別報告者も「人道的支援は、国連安全保障理事会の制裁から除外されている」と述べています。
 私たちは経済制裁や軍事拡張により、人やものをはじめとした全ての流れが断ち切られてしまう状況を深く憂慮し、この地域の平和づくりに取り組んできた市民として、朝鮮の人々に対する人道支援に取り組みます。

アーユス仏教国際協力ネットワーク、地球の木、日本国際ボランティアセンター